中国国家市場監督管理総局と広東省政府の主催による「2018市場監督管理フォーラム」が9月6日に広州で行われた。国家市場監督管理総局は同フォーラムにおいて独占禁止・不正競争防止に関する行政法執行の十大典型案件を発表した。コカ・コーラ社の中国匯源ジュースグループ買収禁止案件やクアルコム社の市場支配的地位濫用案件が選ばれている。
同フォーラムは国家市場監督管理総局が発足してから初めてのフォーラムで、そのテーマが「公正競争と高品質の発展」である。
コカ・コーラ社は2008年9月、179億香港ドルで匯源ジュースグループを買収すると発表した。2009年3月、中国独占禁止法執行機構は審査した結果、この買収はジュース飲料消費者の合法的な権益を害し、競争排除・競争制限の効果があると判断し、法に基づいて当該買収を禁止した。
国家市場監督管理総局の発表によると、当該買収禁止案件は中国『独占禁止法』施行後初めての案件で、且つ外国企業による中国企業買収が禁止された唯一の案件でもあり、ジュース業界の健全な発展を促進し、一里塚の意義を持つものである。
独占禁止法執行機構は2015年2月にクアルコム社に対して、不公平の高価、抱き合わせ販売、不合理な取引条件などの市場支配的地位の濫用行為の停止を命じ、罰金60.88億人民元を併科した。
国家市場監督管理総局は、クアルコム社の市場支配的地位濫用案件に対する処置は『独占禁止法』施行後初めての知財権濫用による競争排除・競争制限案件であり、技術のイノベーションと無線通信産業の発展に良好な市場環境を作り上げたと述べた。
中国内陸12の省・自治区・直轄市の政府又は関係部門が「新居配電」建設で行政権力を濫用して競争を排除・制限した案件と山西省の電力価格独占合意案件もこの十大案件に選ばれた。
国家市場監督管理総局によると、2013年~2017年、独占禁止法執行機構は山西、遼寧、河北、黒龍江、甘粛、重慶、吉林、貴州、江西、天津、広西、青海など12の省・自治区・直轄市政府の行政権力濫用による競争排除・競争制限行為を是正する法執行意見を提出し、「統一的な建設、統一的な料金徴収」の関連政策をやめさせたことで、新築団地の配電施設の建設費用が大幅に低減したという。関係不動産企業は年間53.53億人民元のコストを節約した。2017年8月、独占禁止法執行機構は、山西省電力業界協会が23社の電力企業を組織して独占合意し、これを実行したと認定して、協会に50万人民元の罰金、各関係企業に合計7338.2万人民元の罰金を科した。同案件は、『独占禁止法』施行後初めての大型国有企業に出された罰金通知書で、電力業界構造改革の深化・推進を保障し、川下の電力使用者の合法的権益を保護する上で重要な役割を果たした。
その他、十大典型案件には、テトラパック社の市場支配的地位濫用案件、条件付きで認可されたダウ・ケミカル・カンパニーとデュポン社の合併案件、瀘州信宝ネット科技有限公司による虚偽宣伝案件、上海吉盛偉邦環球家居ブランド管理有限公司佛山禅城支社による不当な景品付き販売案件、長春正利管業有限公司による他人の製品に混同させる案件、嘉興市洞洞拐ネット科技有限公司によるネット不正競争案件などが含まれている。