「HEMA」は、オランダにある有名な雑貨チェーンで、衣類から台所用品に至る製品を販売している。ヨーロッパのいくつかの国で見かけるが、飾り気のなさが製品デザインの売りだ。
「HEMA」や「IKEA」のような店舗では、最新の品揃えをすることが大きな目標になっているであろう。もし品揃えに新たにハンマーを加えるのであれば、ハンマーも商標で保護されなければならない。現実に起こったのは、「HEMA」商標がEUで化粧品に登録されていなかったため、化粧品を指定した「HEMA」の商標出願には十分の理由があった。重要なステップは最初に商標調査を行うことだ。「HEMA」のように既に何十年も存在する商標であってもこのステップを軽視してはならない。「HEMA」が有名な商標であるという事実は、「HEMA」がすべてのEU加盟国で化粧品に利用可能であることを意味しない。
「HEMA」にとっては不運なことに出願商標に対して異議が申立てられた。異議申立てはスペインの商標「LEMA」を根拠にしたものであった。どうなったか?「LEMA」と「HEMA」は、4文字中3文字が同じであるが、一般的に最初の文字が消費者の注目を一番引くもので、その最初の文字が異なっている。「LEMA」と「HEMA」は短い商標であるため、相違する部分がより強い影響を及ぼすことになる。さらに、「LEMA」はスペイン語で意味を持つ(スペイン語でモットーの意味)。これらすべての要素を考慮して、EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、両商標の全体的な印象は十分に異なっていると結論付けた。なので、「HEMA」は化粧品にも登録されている。