ご存知かもしれないが、数年前Knijffの姉妹会社であるOnelは、EU商標の使用に関する地理的要件を明らかにするため裁判所に訴訟を提起した。EU28カ国で保護を受ける欧州商標が狭い領域でのみ使用されている場合は?商標が複数の国で使用される必要があるか?など重要な問題だ。EU商標に地理的使用要件が適用される場合、商標所有者は商標権を維持する十分条件を知りたいと考えているからだ。
裁判所は、EU商標が広い領域で使用されることを期待されていると述べたが、商標の地理的使用は商標が真正に使用されているかどうかという要件の1つに過ぎないとも述べている。言い換えれば全体像が重要だということになる。
それ以来、ドイツとロンドンでの使用などEU商標の使用として十分と考えられる例がいくつか見られた。
最近のケースで、「UNITED SPACES」と「SPACES(オフィスの賃貸コンセプトとして著名)」との異議申立事件で、使用がストックホルムだけで十分かどうかが争われ、EUIPOは、提出された証拠(請求書と年次報告書)が十分ではなく、ストックホルムだけでの使用では十分でないとの認識を示した。スウェーデンは国として広大だが住んでいる人はまばらで、5億1,200万人以上の住民のいるEUの中でストックホルムの住民は150万人しかいないというものであった。
2018-12-10