Linda Liu Groupが取り扱った商標「OKAYAMA」に関わる異議申立の件は「2017年~2018年度優秀商標代理事件」に選出
当所は日本岡山県政府、岡山商工会議所、岡山県商工会連合会、岡山県中小企業団体中央会の4つの異議申立人の依頼を受け(以下は「異議申立人」をいう)、2016年 11月 21日に、「HONGKONG LOUIS JOHN BRAND CO.,LIMITED」(以下は「被異議申立人」)の 第18080527 号商標「OKAYAMA」(以下は「被異議申立商標」をいう)に対して、異議を申立てた。
異議申立人は主に次のとおり主張した。
(1)「OKAYAMA」は「岡山」の英語表記で、漢字の「岡山」と唯一に対応している。しかも、「岡山」は中国において広く認知され、公衆に周知されている地名である;
(2)被異議申立人は他人の著名性の高い商標を模倣する一貫した悪意を持つ;
(3)「岡山白桃」は既に日本の地理標識として登録されている。被異議申立商標が登録したら、関連公衆に商品の産地について誤認を生じさせやすい。
商標局は次のとおり認めた。「OKAYAMA」の中国語意味は「岡山」で、日本の県名と市名であり、公衆に周知されている外国地名に該当する。被異議申立商標は「OKAYAMA」と一致したため、「商標法」第十条第2項に違反した。また、「OKAYAMA」が商標として欺瞞性を帯び、商品の産地について公衆に誤認を生じさせ恐れがある。したがって、「商標法」第十条第1項第7号、第十条第2項、第35項の規定に基づき、当該被異議申立商標の登録は拒絶された。
本件において、商標局は「商標法」第十条第2項を適用し、公衆に周知されている外国地名についての保護に当って、地名の外国語表記と中国語表記の対応関係を積極的に考慮したうえで、両方とも手厚い保護を与えた。そして、公衆に商品の品質又はサービスの出所について誤認を生じる視点からも、「商標法」の第十条第1項第7号を適用し保護を与えた。本件は周知の外国地名を守る当事者に、新たな方向性を提供している。一方、悪意による商標冒認出願への対応や中外商標権利者の知的財産権への保護といった視点からみれば、中国商標審査機関の責任感と執行力を強く伝われ、海外の権利者に中国での権利行使に対する信頼性を高めることもできた。