米国の少年や少女にとってスカウト運動に参加し、米国国民としての義務を果たすことはプライドの問題だろう。米国ガールスカウト(Girl Scout USA:GSUSA)や米国ボーイスカウト(Boy Scout America:BSA)の一員となることは、若い人にとってある意味アメリカンドリームだ。スカウト運動は、その概念が生まれてから一世紀以上もの間、男女別に発展してきた。今日では世界的な青少年組織の一つとなって、世界中のスカウト参加者にリーダーシップのスキルを与え、市民としての責任感を浸透させることで知られている。
GSUSAは「GIRL SCOUTS」を商標登録し、BSAは「BOY SCOUTS」を商標登録している。したがって、GSUSAとBSAの双方で商標の一部として「SCOUTS」という用語を使用しているが、2つのスカウトは男女が別々に活動しているため共存が可能だ。
ところが、BSAがその長い歴史の中で初めて、あらゆる年齢の男女や性別による区別のないのスカウト集団(gender neutral)になることを決めたことで、今までの男女の境界が無くなった。そのため、GSUSAはニューヨークでBSAに対する商標権侵害訴訟を提起した。問題は、BSAが「Scout」だけを使用したことで、GSUSAの商標が希釈化したというものだ。
GSUSAは、消費者が2つの組織を誤って関連付けられた結果として、2つの組織の境界がぼやけてしまい、「GIRL SCOUTS」商標の名声が傷つけられたと主張し、不明確な協会は「GIRL SCOUTS」商標とガールスカウト組織にとって有害であり、「GIRL SCOUTS」商標の識別力を損なう結果となったと主張した。「競合する商品は混同を避けるために区別される必要があるため、「Scout」のような一般的な言葉の商標登録は認められることはないと思われるが…。
2019-02-14