最近韓国の大法院でオンラインサービス提供者(以下「OSP」)の著作権侵害幇助責任と関連する重要な判決が言い渡された。インターネットポータルサイト「Daum」の会員らがビリヤード講座の動画を著作権者である原告の許諾なしにDaumが提供する会員制オンラインコミュニティ「Daumカフェ」にアップロードし、一般人をして前記動画を再生・視聴させるようにした著作権侵害行為と関連し、Daumを運営する株式会社カカオ(以下「カカオ」)の著作権侵害の幇助責任が問われた事案で、原審はカカオに著作権侵害の幇助責任が認められるという理由でカカオに原告に対する損害賠償義務があると判断したが、大法院は原審の結論を覆した。
大法院は、OSPが提供したインターネット掲示空間に著作権侵害掲示物が掲示されたとしても、OSPが①著作権を侵害された被害者から具体的・個別的な掲示物の削除および遮断要求を受けなかったため、掲示物が掲示された事情を具体的に認識することができず、②技術的・経済的に掲示物を管理・統制することができない場合には、原則的にOSPに掲示物を削除し類似掲示物を遮断する注意義務が認められるともみがたいという既存の法理を確認した後、次のような理由でカカオに著作権侵害幇助責任が成立しないと判断した。
まず、①原告がカカオの数回にわたる要請にもかかわらず、原告の著作権を侵害する動画が掲示されたインターネットアドレス(URL)や掲示物のタイトルなどを具体的・個別に特定しなかった点を考慮した。原告はカカオに「Daumカフェ」の代表アドレスや動画を検索できる検索語を提示したが、大法院はそれだけでは著作権侵害掲示物を特定することは難しいと判断した。さらに、②映像著作物の特性上、著作権侵害成否を判断するためには動画の全部または一部を一回一回再生しなければならないはずであるが、インターネットポータルサイトの規模、権利侵害申告件数、アップロード動画数、動画再生時間などを考慮するとき、カカオが著作権侵害掲示物を探し出して削除する措置を取ることは技術的に難しいだけでなく過度な費用が発生し得るとした。③最後に、原本ファイルが有する固有の特性を利用して著作物を認識・遮断する技術である「特徴基盤フィルタリング技術」を適用するとしても動画の原本ファイルが必要であるが、原告がそれを提供しなかったという点も論拠として提示した。
大法院が、OSPの著作権侵害幇助責任が認められるためにはOSPが侵害掲示物を遮断できるよう権利者が十分な協力をしていた必要があるとした本件の判決は、今後OSPが提供するインターネット掲示空間内で権利侵害行為が発生した場合のOSPの責任有無を判断するにおいて意味ある先例として参考にする必要がある。