昨年から、ベネルクスで(登録)商標に対する取消申請がベネルクス知的財産庁(BOIP)を通じて可能になった。これにより訴訟に至るケースが少なくなると思われる。
ベネルクスは、EU同様に、先行する商標の権利に基づいて不使用取消請求や無効請求が可能だが、識別力の欠如に基づいて先行する商標を無効にする試みも可能になった。興味深いことに、近年BOIPは、図形商標の登録にますます消極的になっている(説明的な文字+最小限のグラフィック要素の場合)。これはおそらく、商標を登録した以前の判断にも影響を与えることになるだろう。
そして今回、BOIP最初の無効判断が問われた。BOIPは「PURE DRAUGHT(純生)の特徴的なロゴに対して、ハイネケンが、ベルギーに本部を置くアンハイザー・ブッシュ・インベブ(商標所有者)に対して無効請求を行った。
ハイネケンは、「PURE DRAUGHT」という言葉には識別力がなく、グラフィック要素にも完全な識別力がないと主張し、被請求人はこれに反論した。
BOIPは、「PURE」という言葉は説明的だが、「DRAUGHT」という言葉はオランダの消費者にとって一般的な英語ではないため、ベネルクスの消費者はこの言葉をすぐには理解できないとの認識を示し、さらに、グラフィック要素の「U」は特徴的であるとして、商標には識別力があると結論付け、無効請求を棄却した。これにより、ハイネケンによる商標の無効化や普通名称化の試みは失敗した。しかし、同様の問題はこれからも出てくるだろう。