中国政府は、権利者が模倣者や商標権侵害者に対抗するために商標法を厳格にし、投資と革新により有利な環境を作り出すことを目指して商標法改正に乗り出した。
中国の1982年商標法の改正は2018年4月2日に発表され、4月23日に中華人民共和国の全国人民代表大会常務委員会により承認された。この改正は2019年11月1日に施行される予定だ。
何が変わるのか?
中国の商標法が前回改正されたのは2013年(第3次改正)であり、悪意の商標出願から著名商標を保護することによって、海外企業の商標保護を強化しようとした。今回の改正は、商標の不正取得など、「不正」または「悪意のある」出願に対する対抗手段を導入することによって、これまでの措置をさらに一歩進めるものだ。言い換えれば、使用することなしに、ブランドオーナーが自社のブランドで自社の製品やサービスを中国国内で販売することを阻止するために出願された商標に対するためのものだ。
中国は、商標の先願主義を採用しており、ブランドを使用している、または使用を予定しているかどうかに関わらず、ブランドを最初に商標登録した人にそのブランドの商標保護が与えられる。そのため、商標の不正取得は中国で大きな問題になっていた。
11月1日からは、ブランドオーナーは、商標出願が詐欺または悪意を根拠にして、商標出願に異議を申立てたり無効にしたりすることができる。
行政上の罰則は、警告や罰金を含め、そのような商標を出願していることが判明した企業にも適用される。裁判所による損害賠償の最高額も500万人民元に増加された。ただし、ほとんどの場合、裁判所は金銭上の補償よりも模倣品や侵害品を処分することを優先することは注目に値する。これは、そのような製品や素材が市場に出ることを防ぐためだ。
この改正が、ブランドオーナーにとって商標の不正取得に対する効果的なツールになるのか注目すべきだろう。