事件の概要:
サリーン(SALEEN)は、純正なる米国式スーパーカーのDNAを持つ世界トップクラスのスーパーカーブランドである。1983年の設立からこれまでに、世界のスーパーカーメーカーのチャンピオンの栄誉を13回取得している。その製品にはスーパーカー、スーパーカーSUV、アーバンEVを含む。サリーン社は中国市場に進出した当初、その中核製品に属する第12類において悪意による冒認出願を行う者、つまり、この事件の原告である常州緑牌電動車有限公司(以下、「常州緑牌公司」)の存在を発見した。常州緑牌公司は自社のブランド名「SALEEN」と「賽麟」の商標の冒認出願を行っており、この行為はサリーン社の主要な商標の円滑な登録を直接的に阻害するものであった。中国市場に進出の段階でブランドの冒認出願がなされた多くの外国企業と同じく、サリーン社は当初、常州緑牌公司との協議により譲渡に臨んだが、相手側が幾度も悪意をもって見積額を変更してきたため、最終的に譲渡を諦めた。サリーン社は権利保護戦略を調整し、常州緑牌公司第16896174号商標「SALEEN」と第16896286号商標「賽麟」(以下、「係争商標」)の初審公告期間において、これらの商標について速やかな異議申立てを集佳(もとの異議申立人は関連会社の威蒙工業集団)に依頼し、旧商標局による登録不許可の裁定の支持を得るとともに、登録不許可の再審に関してもその支持を得た。悪意ある冒認出願人である常州緑牌公司はこれを不服とし、北京知識産権法院に提訴した。
法院の判決:
2019年4月23日、北京知識産権法院は一審判決において、「2つの係争商標がそれぞれの引用商標である第14139175号商標「WM-Saleen」、第14139168号商標「威蒙賽麟」の構成要素と呼び方の面で類似しており、わずかな差異が存在しているものの、全体的な違いが顕著でないため、係争商標と引用商標は類似の商標である。また、商品の機能、用途、指定された使用範囲などの要素から、係争商標と引用商標の使用範囲は同一または類似の商品といえる。ゆえに、類似商品における類似の商標である」との判決を下し、原告の請求を棄却した。
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