2019-10-15

日本:「AI vs 弁理士 商標調査対決」イベント、盛況に開催終了

2019年10月10日、Toreru&東京カルチャーカルチャー&弁護士ドットコムクラウドサイン共催によるイベント「AI vs 弁理士 商標調査対決」が行われ、100人を超える参加者が集い、注目度の高さがうかがわれた。

商標登録サービスのToreru が開発したAIと弁理士の対決結果は、画像商標検索では弁理士の勝利、類否判断、識別力評価の戦いは、20問中13問正解させたAIに対し、14問で正解した弁理士の勝利となった。

この結果を、弁護士ドットコム株式会社が運営する電子契約メディアであるサインのリ・デザインは、「プロと遜色ない仕事の成果を、プロよりも圧倒的に早く出せるAIは、少なくともこの商標分野に関しては実用化段階に達していると言って間違いないことも、この大会で実証されたと言えます。」と紹介している。

しかしながら、画像商標検索でAIは、ほぼ同一の商標を検索できず、類否判断、識別力評価でも、AIの正解は普遍的な条件の下で行われた結果とは思料されず、商標形態や商品・役務分野でバラエティのある問題が出ていれば違った結果になったようにも思料される。

このように考えると、今回のイベント結果から、AIがプロと遜色ないとも、実務で使えないとの結論を出すことはできない。実務で使える条件が明確であれば、その条件の下使えるところから使い始めればよいし、実際実務で利用されているAIはそのようなものであろう。
なお、これまで識別力評価にチャレンジしているAIは殆ど確認されていないため、識別力評価にAIがどう使えるようになるのか大いに期待したい。

AIと弁理士の対決における公平性をどう担保するかに加えて、AIの操作やアルゴリズム、教師データについて解説があれば、次回のイベントはより楽しいものになるだろう。
技術の進化を感じるイベントが盛んに行われることを期待したい。

サインのリ・デザインのレポートは こちら