韓国では2019年10月から改正デザイン保護法施行規則が施行される。主な改正内容は次のとおりである。
1.デザイン創作者情報の訂正機会の拡大
改正施行規則は、デザイン出願人または登録権者がデザイン登録可否の決定後でも創作者に関する情報を容易に変更することができるようにした。従来はデザイン登録出願に対するデザイン登録可否の決定後はデザイン登録出願書に記す創作者の記載が抜け落ちていたり、これを誤記したことが明白な場合にのみ創作者を追加または訂正できるようにしていたものを、今後はデザイン登録可否の決定後であっても、創作者全員が署名または捺印した確認書を添付すれば制限なく創作者を追加または訂正することができるように認めた。
改正施行規則により創作者情報を修正するためには、出願人、従前に記載された創作者ら、追加または変更される創作者らの署名が記載された申請書を提出しなければならない。
2.デザイン図面の統合・簡素化
改正施行規則では、これまで「基本図面」、「付加図面」、「参考図面」として提出していたものを「基本図面」、「参考図面」の2種類に統合・簡素化した。
これまでデザイン出願人が提出しなければならない図面は「基本図面」、「付加図面」、「参考図面」に区分されており、これらの図面に対する明確な区分が難しいため、図面の種類の識別に混同があった。改正施行規則ではこれに伴う混乱を最小化するために、これまでの3種類の図面を「基本図面」と「参考図面」の2種類に統合・簡素化した。これにより、従前の付加図面(部分拡大図、切断図、展開図など)は基本図面として提出することになり、これまでも参考図面と認められていた「使用状態図」は改正施行規則下でも参考図面として提出しなければならない。
3.「組物の構成物品」の図面審査要件緩和
これまでは「一組の物品(例示:靴など)」の一方のみを図示した場合、残りの一方に対する説明は「必須記載事項」として、デザイン説明に記載がない場合は拒絶理由に該当した。しかし改正施行規則は一方の形態のみを図面で提出する場合でも、業界において一般的な常識と認めることができるものであれば許容することに図面審査要件を緩和した。
4.書体デザイン図面のうち「特殊記号書体」の「指定文字図面」表現の縮小化
これまでは書体デザイン図面のうち特殊記号の指定文字提出は119字の特殊記号全体を図示しなければならなかったが、これは出願人の使用意思にかかわらず不必要な記号についてまで過度に図示を求め、または限定的な特殊記号(119字)のみが認められるという面で非合理的であった。このため改正施行規則では、特殊記号書体デザインのうち「指定文字図面」の提出は現行の「例示文章図面(16字)」をそのまま「指定文字図面」と記載すればよいことに改正した。
2019-10-01