2019-11-04

ベネルクス:芸術表現の自由と商標権 - Knijff Trademark Attorneys

シャンパンとアートは素晴らしい組み合わせだ。しかし、芸術作品にモエ・シャンパンのボトルを描くことはできるのだろうか?逆に、モエは芸術作品に描かれた商標に対して商標権を行使できるのだろうか?
モエ・エ・シャンドンが、芸術作品に有名なモエのシャンパン・ボトルを描いたベルギーのアーティスト、セドリック・ピア(Cédric Peers)を提訴したことで、ベネルクス司法裁判所はその判断を求められることになった。

欧州連合商標に対して、ベネルクスの商標登録には追加の理由が必要だ:商標権に基づき、商標として以外の使用にも対抗する事が出来る。ただし、その場合は商標の評判に対するフリーライドや希薄化に関係していなければならない。さらに、権利侵害を疑われる者に商標を使用する正当な理由がある場合は除かれる。そのような場合には、アーティストの表現の自由は商標権者の権利と対立することになり、裁判官は両当事者の利益を比較検討しなければならない。今回のケースでは、表現の自由が商標を使用する正当な理由になり得るかどうかだ。

裁判官は、芸術の表現が、商標権や商標権者に対して損害を与えることを目的としない創造的なプロセスの結果である場合、芸術表現の自由は、商標に類似する標識を使用する正当な理由となると説示した。商標使用のグレイゾーンにおける興味深い判決だ!

セドリック・ピアの作品

本文は こちら (Champagne and art)