韓国特許庁は2020年1月から改正商標審査基準を施行している。その主な内容は次のとおりである。
① 使用による識別力の判断と関連し、商標の使用期間については原則的に5年以上とし、その間実質的に非競合的かつ継続的に商標を使用した場合、使用による識別力取得認定の重要判断根拠として考慮することができる。
② ただし、短期間でも多量の広告宣伝を通じて認知度が上昇することもあるため、使用期間が短くても売上額、市場占有率、認知度などが大きく上昇した場合にはこれを考慮して使用による識別力取得を認めることができる。
③ また、消費者認知度調査のためのアンケート調査の場合は、原則的に人的・物的要件が備わった信頼性ある調査機関により実施されなければならず、同種商品の実際のまたは潜在的な需要者を対象として地域、性別、年齢などの代表性がなければならないが、質問の形態は公正かつ適切に構成されるべきで、質問に回答した標本数が500人以上、回答者の50%以上が該当商標を特定人の商標として認識している場合には信頼度を高く評価することができる。
④ これまでは使用による識別力の判断を審査官1名の単独で審査していたが、改正審査基準下では1名の審査官による審査後、識別力が認められると判断されるときはこれを3名の審査官合議体で再び検討した後、識別力が認められると判断されれば最終的に審査委員会に上程し、その結果により最終決定するよう手続きを整備。
⑤ 医薬品関連の商標出願と関連し、他人がすでに製造販売・輸入品目許可・申告をした医薬品名称と同じ医薬品名称を商標出願した場合には、商標使用意思がないものとみて拒絶。
⑥ 出願人が本人の著名な医薬品名称と同一・類似の商標を他の医薬品名称として出願したり、他人の医薬品名称と同一・類似の商標を出願した場合には、商品の品質を誤認させまたは需要者を欺瞞するおそれがある商標とみて拒絶。
⑦ 日本の年号である「令和」、「れいわ」または「레이와(Reiwa)」は韓国で指定商品と関連し識別力がないとみることができないが、「年号+○○年」等のように標章が構成された場合は、「西暦○○○○年」に準じてその他識別力がない部分とみなす。