最近、ピエル・モンドリアン(19世紀末-20世紀のオランダ出身の画家)の抽象画スタイルボトルと「モンドリアン」という名前が商標出願されているのを発見した。ボトルは、モンドリアンの絵画風なデザインと「MONDRIAN(モンドリアン)」という文字が表示されており、直接的に有名な画家を示すものになっている。許可は取っているのだろうか?実際、このボトルはモンドリアンの名声に便乗しているように見える。
EUIPO(欧州連合知的財産庁)は、識別力などの法的要件に基づいて出願商標を評価するが、この商標に対しては識別力があると判断した。モンドリアンは、この商標が指定する商品であるウォッカについては何か語ったとも思えない。もし、「MONDRIAN」が絵の具や本を指定した出願であれば状況は異なっていたかもしれない(本はモンドリアンに関する内容を示している可能性があるため)。また、EUIPOは審査プロセスにおいて、出願商標が他人の商標権を侵害しているかどうかを評価しないので、商標権者が異議を申し立てた場合にのみ調査する。
つまるところ、乱用を防ぐために名前を商標として登録するかどうかはモンドリアンの相続人次第となる。画像イメージがモンドリアンの絵画の複製でもない限り、相続人が問題にすることはほとんどない。それだけに一層、有名人が自分の名前を商標として保護する理由がある。