4月7日、世界知的所有権機関(WIPO)は、2019年の特許、商標及び意匠に関する国際登録状況について発表した。商標に関するデータによると、マドリッド制度を利用した商標の国際登録出願は、5.7%増加して64,400件であった。
2019年にマドリッド制度を利用した商標の国際登録出願は、米国が最も多く10,087件(前年比+14%)で、ドイツの7,700件(+2%)、中国の6,339件(+1%)、フランスの4,437件(+2%)、スイスの3,729件(+10%)が続いた。なお、日本は7位で前年から1%減少して3,160件であった。
また、出願件数上位15か国のうち2桁の伸びを見せたのは、米国、スイスのほか、トルコ(+ 38%)、ロシア連邦(+ 16%)で、対照的にイタリア(–16%)は急激な落ち込みを見せた。
指定国・地域では、中国の737万区分(前年比+28%)が最も多く、米国の64万区分(+4%)、日本の51万区分(-9%)、EUの39万区分(+6%)、イランの38万区分(+7%)と続いた。トップ10で2桁の伸びを見せたのは、中国のほか、インド(+21%)、フランス(+10%)、韓国(+15%)であった。
2019年にマドリッド制度を利用した商標の出願人は、フランスのロレアルが189件と最も多く、スイスのノバルティス(135件)、中国のファーウェイ・テクノロジーズ(131件)、インドのNirsan Connect(124件)、ルクセンブルクのリゴ・トレーディング(103件)が続き、中国とインドの企業が初めてトップ5入りした。なお、日本企業では資生堂の84件が7位と唯一トップ10入りした。
国際登録出願で最も多い区分は、コンピュータと電子機器で全体の10%を占め、ビジネス向けサービス(8%)と技術的サービス(7%)が続く。トップ10区分の中で、医薬品などの医療用製剤(前年比+ 12.4%)と教育、トレーニング、娯楽、スポーツ及び文化活動に関するサービス(+ 9.6%)が前年比で最も大きな伸びを見せた。