2020-09-30

アイスランド:商標法改正 - アイスランド知的財産庁

アイスランドの商標制度は、2020年9月1日に施行された新法により大幅に改正された。改正商標法は、EU商標指令2015/2436号をアイスランドの法律に組み込んだもので、EUとEEAの商標制度の調和が図られており、通常の商標だけでなく、団体商標、保証商標及び証明商標(collective marks, guarantee and certification marks)に関するものも含まれている。

主な変更点は以下の通り;
* 商標は、色彩、音、動きなどの非伝統的な商標の登録を可能にするために写実的表現(Graphical Representation)の要件が廃止された。これにより、2020年9月1日以降は、明確かつ正確で、それ自体として完結しており、簡単に入手でき、理解し易く、永続的且つ客観的であり、一般的に利用可能な技術を用いて適切な形態であれば、標識を表現できることを意味する。また、排他的権利の範囲は、商標登録簿の明細書で明らかでなければならない。
* 改正法は、商標の登録要件を変更し明確にしている。例えば、絶対的拒絶理由に標識が商品の価値を高める特徴を示すものが追加され、また、商標が先に登録された植物品種の重要な要素から構成されている場合にも拒絶が認められるようになった。さらに、商標出願を悪意による理由で拒絶する規定が明確化された。
* 利害関係を有しない第三者が、手続きの当事者となることなく、登録前に情報提供(to file observations)する権利を有する。
* 商標の保護期間が変更され、2020年9月1日からは出願日から10年となる。それ以前の商標の保護期間は変更されない。
* 異議申立手続が明確になり、和解交渉のために双方から要請があれば、少なくとも2ヶ月間延期することが可能になる。さらに、異議申立手続においての抗弁として、真正な使用の証明を求めることができる。
* 現在、同じ手続きを踏んでいる商標の取消と無効化の手続きが分かれる。無効となる商標は、出願日から法的効力が無効とされるが、取消の場合は請求日から法的効力が取り消される(請求があればそれ以前にもなる)。
* 商標によって与えられる権利がより明確になった。例えば、商号や会社名としての標識の使用や比較広告での使用を防止することができるようになる。

本文は こちら (Changes in Iceland‘s trademark system approved by parliament)