2020-10-05

EU:メッシ、9年間の係争の末に自分の名前を商標登録する権利を獲得 - Marks & Clerk

バルセロナFCのサッカー選手リオネル・メッシが、自身の苗字をEUで商標登録するための9年に及ぶ法廷廷闘争で勝利した。
2019年にフォーブス誌のスポーツ選手長者番付で最も稼ぐスポーツ選手となったリオネル・メッシは、2011年8月にスタイライズしたロゴ入りの苗字「MESSI」の商標登録を申請した。指定した商品は、運動用・体操用の衣服、履物、器具などだった。

この商標の登録に対して、スペインの自転車会社「マッシ(Massi)」の所有者が異議を申立てた。異議は、衣服、履物、運動用衣服・器具(clothing, shoes and sportswear equipment)を指定したマッシのEU商標「MASSI」を理由としたものだ。
欧州知的財産庁(EUIPO)は、当初マッシを支持し、メッシの商標がマッシの商標に混同するほど類似するとして2014年にメッシの商標の登録を拒絶した。

メッシは、EUの一般裁判所に上訴し、2018年にEUIPOの決定を覆すことができた。一般裁判所は、メッシは国際的な有名人であるため、一般の人々が2つの商標を混同することはまく、むしろ一般の人々は「MESSI」という文字から有名なサッカー選手を想起し、「MASSI」は観念的に異なるものとして認識するだろうと判断した。
その後、自転車会社のマッシは、一般裁判所の決定を不服として欧州司法裁判所(ECJ)に上訴した。ECJは一般裁判所の決定を支持し、マッシの上告を棄却、メッシの商標はEUで登録することができると結論付けた。

メッシはすでに、さまざまな商品やサービスを指定して、「LIONEL MESSI(リオネル・メッシ)」、「LEO MESSI(レオ・メッシ)」、メッシの署名を含むさまざまな商標をEUで登録している。 

この判決は興味深いもので、一般裁判所とECJは、スポーツ選手の国際的な名声と評判が、商標間の外観的及び称呼的な類似性に勝ると判断した。このことは、リオネル・メッシが享受する比類のない世界的な評判の結果であり、例外的な判断であるように思われる。
したがって、この結果があるからとして商標権者が必要とする権利行使を思いとどまるべきではない。商標登録は、第三者に対してブランドとその評判を保護し、権利行使するための非常に貴重な資産である。

本文は こちら (Goal! Lionel Messi scores the right to register his name as a trade mark after nine-year dispute)