2020-11-25

中国:最高裁、知財民事訴訟の証拠に関する規定を公布 - 北京路浩

2020 年 11 月 16 日に、最高裁判所は「知的財産権における民事訴訟の証拠に関する若干意見」(法釈「2020」12 号)を公布した。当該規定は 2020 年 11 月 18 日より施行開始。以下は主要な規定内容について簡単に紹介する。

挙証責任について
* 当事者は自己提出した主張に対して関連証拠を提出し証明しなければならない。また、裁判所は案件の審理状況によって証拠の提出を当事者に求めることができる。(第 2 条)
* 被告は「合法的出所の抗弁」を主張した場合、合法的な購買ルート、合理的な価格および直接な仕入先などを含め、対象侵害商品・複製品を合法的に取得した事実を挙証証明しなければならない。(第 4 条)
* 権利者は知財侵害行為を発見・証明するために、自ら又は他人に委託して一般購買者の名義で対象侵害者に侵害商品を購買することによって得た実物、領収書などを対象侵害者の侵害行為を訴える証拠とすることができる。(第 7 条)

証拠の有効性について
* 中国境域外で形成された証拠について、下記いずれ号に当たる場合、当事者は当該証拠が公証認証手続をしていないことのみを事由にして異議を申立する場合、裁判所はその異議を承認しない。(第 8 条)
1)発効済で裁判所の裁判によって確認できたもの;
2)仲裁機構による発効裁判で確認できたもの;
3)官庁又は公開なルートによって得られる公開出版物、特許文献など;
4)その他証拠で信憑性を証明できるもの。

証拠保全について
* 裁判所は当事者又は利害関係者による証拠保全申請に対して、以下の要素を考慮した上審査を行う。(第 11 条)
1)申請人はその主張に対して初歩的な証拠を提出したか否か;
2)証拠収集は申請人自分によって行えるか否か;
3)証拠が消滅又は今後取得困難の可能性およびそれによって証明事項への影響
4)実施し得る保全措置が証拠の保有者に生じる影響。

証拠鑑定について
* 裁判所は証明される専門的な問題点について委託鑑定を行うことができる。(第 19 条)
* 裁判所の承認又は当事者双方の同意によって、鑑定者は鑑定内容の一部をその他検測機構に委託検測を行うことができる。鑑定者はその検測結果によって出された鑑定意見書に法的責任を負う。(第 20 条)
(出典:最高裁判所)

本文は こちら(路浩知財ニュースレター2020年11月号)