このほど、集佳弁護士事務所が代理を務める聖象集団有限公司が第19類「フローリング」に登録した「済象」の商標(「係争商標」)の無効宣告行政訴訟案件について、北京知識産権法院で勝訴判決を獲得。
事件の概要:
聖象集団は「聖象」の商標と屋号の優先権を有し、第19類「床板」等の商品において「聖象」シリーズの商標権を有する。原告の「聖象」ブランドは2005年から現在に至るまで繰り返し中国の馳名商標の認定を受けてきた。
本案件の第19類「済象」係争商標は、2010年5月13日に「木材、ベニヤ板、床木材、積層ボード、合板、床板、建築用木材パルプ板紙、ファイバーボード、レジン複合板、フローリング」等の商品について出願され、2011年5月14日に登録が認められた。当該登録商標の商標権者が実際に使用中に、まず企業が事業内容を変更して品目に「フローリング」を追加、続いて現地で登記した「聖象」という企業屋号を有する関連会社を通じて商標権侵害行為を行った。
2019年7月5日、聖象集団は国家知識産権局に対し係争商標に関する商標無効宣告請求を行い、国家知識産権局は2020年5月30日に係争商標の登録を維持する決定を下した。聖象集団は集佳弁護士事務所に当案件についての無効宣告行政訴訟を依頼していた。
法院の認定:
本件合議庭は、本案件において、2001「商標法」第13条第2項と第41条第2項に基づく当方の主張を支持し、次のように判断した。
1. 聖象集団は2002年に設立され、「聖象」フローリングは継続的使用により知名度を獲得しており、「聖象」の商標が長期的かつ広範に周知使用され、事実上「馳名」の状態に達していたと認めることができる。これにより、2010年の係争商標出願日の前に、「聖象」は「床板、フローリング」商品において馳名商標となっていたことが裏付けられた。
2. 係争商標の登録から5年を過ぎていたとはいえ、係争商標の出願人およびその関連会社は同業種の経営者であり、その実際に使用中の製造・販売の状況および関連する商標民事紛争案件を踏まえると、係争商標の出願人による出願行為は「悪意による登録」に属すると判断できる。
3. 係争商標が登録を許可された第19類「床板、フローリング」などの商品は、引用商標「聖象」が使用を許可された商品と重複するため、こうした商品上における係争商標の登録および使用は、誤認を容易に関連公衆にもたらし、当該馳名商標の商標権者の利益を損なうおそれがある。
上述により、法院は係争商標の「床板、フローリング」商品における登録・出願が「聖象」の馳名商標の権利を侵害し、「商標法」第13条第2項の規定に違反することを認定した。
典型事例の意義:
本案件は民事行政交差下における保護を受ける典型的な商標案件であり、集佳の弁護士は本案件の代理を務める中で、「悪意のある商標登録に対して、馳名商標の所有者は5年間の期間の制限を受けない」という条項について、商標「聖象」がすでに馳名商標となっているという事実状態を十分に立証したばかりでなく、関連する商標民事紛争案件と結び付け、係争商標の出願人が実際に使用中の悪意あるただ乗り行為について重点的に論述し、最高人民法院が関連する判例において明確にした司法精神、北京知識産権法院が同一または類似の商品に適用した2001年「商標法」第13条第2項の規定によって、ついに本案件の一審での勝訴を勝ち取った。