世界的な新型コロナウイルス(以下、COVID-19)の感染拡大で韓国や主な先進国を含む各国のマイナス経済成長が予測されている中、韓国特許庁の発表によると韓国の特許・商標などの知的財産権出願は増加の傾向を示し、景気回復に向けた肯定的な兆しを見せている。
新型コロナウイルスの感染拡大の中、2020年上半期の知的財産権出願は増加
2020年上半期の知的財産権出願は合計25万3,027件で前年同期比4.5%の増加となり、その内訳は特許権と商標権でそれぞれ2.1%、9.4%増加し、知財全体として出願件数の増加を示した。COVID-19感染が本格化した2020年3月以降、知的財産権の出願活動が縮小した時期もあったが、6月には前月比17.3%、前年同月比20.7%として出願が増加し、上半期全体としての出願も増加傾向を示す結果となった。
非接触型産業分野でも出願が活発化
経済活動が制限されている状況の中、COVID-19対策のための技術・サービスを提供する企業の努力も知的財産権出願の増加に寄与したとの分析が出ている。特許庁の発表によると、2020年1月から6月までの半年間で、オンラインショッピング及び物流配送などの「非接触型関連分野」の特許出願件数が958件を記録し、前年上半期に比べて27.2%の増加となった。この分野に含まれる特許出願件数は、全体の特許出願件数に対してごく一部に過ぎないが、COVID-19対策に関連した技術分野で特許出願活動が活発化している傾向がわかる。
一方、商標においても、電子商取引や通信・放送業などの「非接触型関連分野」で商標登録出願が昨年上半期に比べて12.5%、件数では4,209件が増加した。当該期間における商標権全体の出願増加件数は10,356件であって、このうち非接触型分野が出願増加の40%以上を占めるという結果となった。デザイン権の場合、2020年上半期の全体出願件数は前年同期比3.3%で減少したが、マスク・検査ブースなどの衛生・医療部門では出願件数が238.3%増加し、これを含む「非接触型関連分野」の全体では42.6%の増加率を記録した。なお、「非接触型関連分野」に含まれる出願の分類については、表中の説明を参照されたい。
国際通貨基金(IMF)によると、COVID-19による各国の封鎖措置、国際交易量の減少などにより今年の世界経済成長率はマイナス4.9%を記録すると見込まれている。このような否定的な展望の中にあって、韓国の知的財産権の出願件数が昨年より増加していることは、韓国内における企業努力の結果であって景気回復及び成長に向けた意思表示と言うことができる。
「非接触型産業」関連商標出願の現況