2021-01-14

EU:ルイス・ハミルトンの知的財産権紛争は重要な問題を浮き彫りに - Marks & Clerk

著名人に関するニュースは、時に型破りなこともあるが、重要な問題を提起することもある。最近では、ルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton:英国出身のレーシングドライバー)の知財に関する争いが、いくつかの興味深い点を浮き彫りにした。

ハミルトンの会社である44IP Limited(以下、441P)は、スイスの時計メーカー、Hamilton International AG (以下、HI)との間で、時計などに関する「LEWIS HAMILTON」と「HAMILTON」商標に関する3年間の争いに敗れた。44IPの「LEWIS HAMILTON」商標の出願に対するHIの異議申立を受けて、44IPは、HIの「HAMILTON」商標に対して、悪意を理由にEU登録の取消しを請求した。EUIPOの審判部(Boards of Appeal)は、時計メーカーの商標登録が悪意によるものでないことは明らかであるとし、44IPでさえ「自然人としてのルイス・ハミルトンが誕生した年、つまり1892年以降「HAMILTON」という標章が使用されていたことを明確に認めた」と指摘して、少し辛辣な判断を下した。また、第三者の権利を侵害するような自己の名称を商標として登録することは「自然権(natural right)」ではないとのコメントが添えられた。今回の決定により、HIは「LEWIS HAMILTON」商標の出願に対する異議申し立てを成功させ、EU全域で時計に関する「HAMILTON」商標を使用する独占的な権利を持つことになる。

本文は こちら (Lewis Hamilton’s IP struggles highlight some important issues)