2021年1月13日付の韓国特許庁報道資料によると、昨年の新型コロナウィルスによる厳しい経済状況の中でも特許(実用新案を含む。以下同じ)、デザイン及び商標を含む知的財産権出願は557,229件(前年比9.1%増)で、過去最多を記録した。特に中小企業による出願が顕著に増加した中で、産業別にはデジタル経済(電子商取引)、医療、医薬の分野で出願が大幅に上昇した。その一方、外国人による出願は6.3%減少した。具体的な出願動向を以下に示す。
まず権利別に出願動向を見てみると、商標257,933件(16.4%増)、特許231,740件(3.3%増)、デザイン67,556件(3.9%増)の順となっている。特に、商標出願は過去20年間で最も高い増加率を記録した。
商標出願は、出願全体の傾向としては、商品分類(1~34類)の商標出願(8.9%増)よりサービス業分類(35〜45類)の商標出願(12.6%増)の方が高い増加率を示した。出願分野別には、医療用機器(8,391件、42.7%増)、医薬品(14,530件、31.3%増)分野で出願が大きく増加するとともに、ユーチューブなどでの個人放送の増加に伴って、放送通信業(7,998件、37.3%増)及び電子音響映像機器(26,865件、18.0%増)の分野でも高い増加率を記録した。
韓国特許庁は、昨今の新型コロナウィルスで厳しい状況下にあっても出願件数が急増しているのは、果敢なR&D投資が反映されたもので韓国経済に肯定的な見通しを示すものであると述べた。