2021-03-23

中国:アイコン社が商品類似群グループの異なる商標の無効に成功 - UNITALEN

案件の概要:
  アイコン(ICON)社は世界的に有名なフィットネス機器のブランドであり、iFITはアイコン社傘下のサブブランドで、主にフィットネス製品に付随するスマートトレーニングシステムやスマートウェアラブル機器などに用いられている。
  本案件の係争商標は第三者の曹某が第28類の「知育玩具、スポーツ用ボール、リハビリ機器、フィットネス機器、加圧機器、トレーニング機器、スポーツ機器、ランニング補助機器、登山用具、合成樹脂舗装トラック」を指定商品として登録した商標「ifitfun」である。アイコン社は第28類の「トレーニング機器」、「フィットネスジム機器」などを指定商品として商標「iFIT」、「iFIT」を先行登録している証拠を引用し、係争商標に対して無効審判を請求した。国家知識産権局は審査の結果、引用商標と同一の類似群で登録された「トレーニング機器、リハビリ機器、フィットネス機器、加圧機器の商品における係争商標については無効とし、その他の同一の類似群に属さない「知育玩具、スポーツ用ボール、スポーツ機器、ランニング補助機器、登山用具、合成樹脂舗装トラック」商品については登録維持の審決を下した。
  集佳弁護士事務所はアイコン社の依頼を引き受け、当該審決に対し、審決取消訴訟を提起した。

法院の判決:
  北京知識産権法院は審理を経て次のように認定した。係争商標の使用が認められた「知育玩具、スポーツ用ボール、スポーツ機器、ランニング補助機器、登山用具、合成樹脂舗装トラック」商品は、引用商標が使用を認められた関連商品と「類似商品・サービス区分表」上の類似群が異なるが、機能・用途、販売経路、消費対象などの面で一定の重複性または比較的強い関連性があり、同一または類似の商品を構成する。また、第三者による係争商標の登録行為は主観的に善意とは言いがたく、かつ原告およびその製品の知名度、引用商標の識別性を考慮すると、関連する公衆に係争商標の商品の出所について誤認または混同を生じさせやすい。従って、係争商標は引用商標と同一または類似商品上の類似商標を構成し、商標法第30条、第31条の規定に違反する。法に基づき無効とすべきであり、審判被請求人に対する裁定を取り消すとともに、国家知識産権局に改めて裁定を下すよう命じる。

典型事例の意義:
  商標の権利付与・権利確定を審理する案件では通常、「商標登録用商品・サービス国際分類表」、「類似商品・サービス区分表」が類似商品またはサービスを判断する参考とされている。しかし、商品およびサービスの項目は絶えず更新されることから、類似商品またはサービスの判定もそれに伴い絶えず調整される。商標登録の無効審判審決取消訴訟では、具体的な状況を踏まえ、個別に分析を行わなければならない。本案件で商品自体の特徴、係争商標の登録者の主観的意図、実際の使用状況、混同の可能性など多方面を踏まえて総合的に判断した論証的思考は、類似案件を処理する際の参考にもなる。

本文は こちら (集佳中国知財情報 No.174)