財務省は、令和2年の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数を発表した。輸入差止件数は30,305件で、前年と比べて26.6%増加し、3年ぶりに3万件超えの高水準となった。
地域別では、中国を仕出しとするものが25,828件(構成比85.2%、前年比30.4%増)と引き続きの高水準で、次いでベトナムが1,374件(同4.5%、同152.1%増)、シンガポールが845件(同2.8%、同42.7%増)、フィリピンが635件(同2.1%、同8.1%減)であった。
輸入差止件数は、偽ブランド品などの商標権侵害物品が29,483件(構成比96.7%、前年比27.2%増)で、引き続き全体の大半を占め、次いで偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品が576件(同1.9%、同14.1%増)であった。
目別では、財布やハンドバッグなどのバッグ類が9,931件(構成比29.2%、前年比3.0%増)と最も多く、次いで衣類が9,166件(同27.0%、同54.1%増)、時計類が4,057件(同11.9%、同240.1%増)、靴類が1,962件(同5.8%、同1.9%減)であった。特に、腕時計などの時計類の輸入差止件数が前年比で3倍を超え著しく増加した。また、使用又は摂取することにより、健康や安全を脅かす危険性のある自動車付属品、電気製品、医薬品や、レプリカメダル、ピンバッジ、ストラップなどの東京オリンピック・パラリンピック関連品の輸入差止めも続いている。