米国の商標登録は使用主義である。商標登録により権利が維持されるのは、商標が商業上使用されているか、特別な事情により一時的な不使用が認められた商品・サービスについてのみである。使用証拠提出時における不正確または不適切な主張は、登録の有効性を危うくし、将来の出願を不必要に妨げ、企業や一般市民に商標権を通知するための商標登録の有用性を低下させる可能性がある。
正確さを求めるインセンティブのために、2021年1月2日に発効した料金表では、出願審査中または抜き打ち検査(audit)中に商標の指定商品・サービスおよび指定区分を削除するための料金を導入した。この料金は、商標の電子出願システムTEASを利用して出願された場合は1区分につき250ドル、認められた紙手続きの場合は1区分につき350ドルとなる。また、この料金は、登録された商標が継続的に使用されている旨の宣誓書(section 8 or 71 declaration、以下「使用宣誓書」)が2021年1月2日以前に提出された場合でも、当該宣誓書の受理前に登録者が区分全体または区分内の特定のアイテムの削除を要求したり、要求されたりするたびに支払わなければならない。使用宣誓書に関わるオフィスアクション(maintenance-related office action)で削除料を要求された場合に支払いを怠ると登録の全部が取り消されることになるので注意が必要だ。
手数料の発生を回避する方法
* 指定した商品・サービスの一部で商標を使用していない場合は、一時的な不使用の理由が特別な事情によるものでない限り、次回の使用証拠提出期限までの早い段階でsection 7の削除請求を行う。
* 商標を使用していない商品やサービスがある場合はそれらを削除するか、一時的な不使用を許容されるべき事実を宣誓書に記載し、現在の商標使用を反映させた正確な使用宣誓書を提出する。
ベストプラクティス
使用宣誓書の申告期限までに、以下のベストプラクティスの検討を薦めたい。
* 登録された商品やサービスに関する商業上の商標の使用状況を評価し、確認のためのチェックリストを作成し、それらを商標登録状況検索システム(TSDR)からコピー&ペーストして見落としを防ぐ。
* 相談した人や記録(および日時)についてメモを取っておく。
* 商取引で使用されている証拠を記録する。例えば、商標を付した各商品の写真、およびそれらのウェブページのプリントアウト(URLと印刷日付)、印刷された広告や販促物のコピーなど。
詳細は こちら (Summary of FY2021 Final Trademark Fee Rule)と
こちら (Keeping your registration alive)
本文は こちら (New fee for certain requests to delete goods, services, or classes)