最高裁判所知的財産権法廷は2019年1月1日の設立から、5121件の訴えを受理し、 4220件の裁判を終了した。このうち2020年の裁判終了数は2787件で、2019年より1354件増え、同期比95%近く増加した。
「知的財産権法廷の設立後、技術系知的財産権二審実体案件の平均審理周期が効果的に短縮され、裁判の質と効率ともに向上した」と、最高裁判所知的財産権法廷の郃中林副廷長が紹介した。また、2020年に知的財産権法廷が審理した民事、行政実体上訴案件の平均周期は123日で、これまでの各地の高級裁判所の平均約1年の審理周期を半分以上短縮した。
技術系知的財産権案件の国の統括的終審機関として、知的財産権法廷が2020年に受理した戦略的新興産業にかかわる案件は全体の八分の一を超えている。その中で、ファーウェイ社と康文森社の標準必須専利訴訟では、法廷は民事訴訟法にある行為保全制度を創造的に利用し、中国知的財産権分野で初めての「外国訴訟差し止め命令」の性質を持つ行為保全裁定を下し、また一日毎の罰金措置の適用を初めて検討して、当事者をグローバルな包括的和解協議の締結へと導き、中国の国家の利益、司法権と企業の合法的権益を効果的に保護した。
同時に、知的財産権法廷はさらに懲罰的賠償制度などを利用し、悪意の権利侵害行為を厳しく取り締まった。「卡波」技術秘密侵害懲罰的賠償案件において、法定の懲罰的賠償の最大倍数である5倍を適用し賠償額を3000万元超とした判決は、最高裁判所が言い渡した初めての懲罰的賠償判決である。また、「バニリン」技術秘密高額賠償案件は、権利侵害者が連帯して技術秘密権利者に1億5900万元を賠償するように判決が変わり、中国裁判所で最高賠償額の発効判決が下された商業秘密侵害案件となった。「これからも知的財産権損害賠償の強化に一層力を入れていくので、高額賠償案件はどんどん増えていくと思う」と郃中林副廷長は述べている。
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