先頃、中華商標協会がビッグデータ管理・分析機関と共同で『中国商標データについての報告書(一):ビッグデータから見る中国商標の「海外進出」40年』(以下、報告書という)を発表し、データやグラフに解説を付けて過去40年間の中国出願人の世界での商標出願と権利保護訴訟の数と推移を紹介した。
報告書によると、1981年から1995年まで、中国出願人による海外での商標出願数は1万4500件、2万1500件、10万2300件、24万5300件と増加しているが、伸びはそれほど大きくはない。
報告書は、出願先の国・地域別の分析のほか、1981年から2020年までの中国の市場主体の海外での商標出願の区分についても分析している。『標章の登録のため商品及びサービスの国際分類に関するニース協定』の区分別に基づく中国の出願数は、五カ年計画ごとに増加し、中でも第3類、第7類、第14類、第16類、第18類、第35類及び第42類の増加が比較的に大きく、第9類、第11類、第21類、第25類及び第28類の伸び率が顕著である。
「中国の市場主体の第9類、第25類及び第35類での際立った増加は、国内の出願の全般的な動向が海外でも反映されているものだ。インターネット経済の発展に伴い、第9類の商標出願数の成長が推し進められている。「インターネット+」という経済発展モデルは、伝統産業の第9類商品上の商標に対する登録のニーズを生み、出願数の増加をさらに刺激した。中国にとって第25類サービスは従来の優位産業であり、連続2位は想定内のことである。第35類商標の出願数の急増は電子商取引業界の発展と密接に関係する」と中央財経大学知的財産権研究センターの杜穎主任は紹介している。
また、報告書は中国の市場主体の2011年から2020年にかけての国内外における訴訟案件数の推移についても分析している。中国の市場主体が関わった商標民事係争は、年ごとに増える傾向にある。2011年から2015年までに中国の市場主体が関わった国内外の各種商標行政係争案件は1万件未満で、無効審判請求案件はわずかばかりであったが、2016年から2020年は各種係争案件が爆発的に増加し、無効審判請求案件の数は190倍も増加している。
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