LEGO社のレゴが著名且つ十分に保護された商標であることを疑う人はいないだろう。しかし、LEGO社は、名称が保護されていることを別にして、その最も重要な製品そのものが適切に保護されることを大いに願っている。レゴブロックだ。
レゴブロックに関する特許は十分な権利を保証していたが、ずいぶん前に消滅した。以来、LEGO社はレゴブロックを法的に保護する別の手段、つまり商標、意匠、著作権による保護を模索してきた。
残念ながら、広範囲に及ぶ訴訟の結果、レゴブロック自体を立体商標として保護することに成功せず、また、著作権でも期待する保護を得ることはできないことが明らかになった。一方で、多くの競合他社が、レゴ社のオリジナルブロックと完全に組み合わせることができるブロックを安価で市場に投入してきた。
「組立玩具用ブロック」として登録されていたレゴ社の意匠権に関して、EUIPO（欧州連合知的財産庁）は、ブロックの外観のすべての特徴が「玩具の他のブロックとの組み立てや分解を可能にすることによってのみ決定される製品の技術的機能」という理由で無効とした。控訴後、EUの一般裁判所はレゴブロックの共同体意匠に対するEUIPOの無効決定を覆す判決を下した。
意匠は、外観のすべての特徴が、それに関連する技術的結果を得るために必要な商品形態によってのみ決定される場合は無効とされるだろうが、特徴のうち少なくとも1つが製品の技術的機能によってのみ決定されていなければ当該意匠を無効とすることはできない。もし、すべての外観上の特徴が評価に考慮されていないとすれば、技術的な機能だけではなく、設計者の美的な好みによる外観の特徴があるのかもしれない。
このケースでは、EUIPOは、ブロックが「上面の4個の突起（スタッド）の列の両側に平らな面を有する」ことを考慮していなかった。その平らな面は、技術的に決定されたものではなく、デザイン上の選択であった可能性もある。もしEUIPOがその特徴を考慮していたならば、外観が技術的にのみで決定されたものではなかったとして、ブロックは確かに有効な共同体意匠であると結論付けたかもしれない。しかし、その可能性についての議論はEUIPOの判断には含まれていなかった。
したがって、一般裁判所の判決では、EUIPOが意匠権の無効を誤って判断したと結論付けた。
本文は こちら （Invalidity of LEGO brick design rejected by EU court）