本稿では、中国知財官庁の商標データベースの中国商標網で商標検索時の基本操作および注意事項について説明したい。
データベースのアクセス:
国家知識産権局(CNIPA)ホームページ:https://www.cnipa.gov.cn/
①初頁の真ん中の所に、「商標」カタログの3番目の「商標査詢」をクリックする。
②「商標査詢」をクリックし、使用条件に同意するための「我接受」ボタンを押す。
③「我接受」ボタンを押すと、1番目の「商標近似査詢」(SISTM)をクリックすると、類似商標の検索ができる。(*この頁の一番上の欄で英語の言語変更ができる。)
*以前は中国商標局からアクセスか、又は直接にサーチエンジンで中国商標網を入力してリンクをアクセスしたが、近年のCNIPA機構改革により、元商標局は既にCNIPAに組み入れられた。従って、CNIPAからのアクセスは安定性が高い。
類似商標の検索:
検索条件:国際分類(必須);類似群;商標名称(必須);検索方法(必須):漢字、ピンイン、英語、数字、アクロニム(頭字語)、図形;検索タイプ(検索モード選択)
そのうちの「検索方法」について、入力時に以下の点は要注意。
漢字:簡体字体の漢字、各漢字の間にスペースを入力不可。
ピンイン:各漢字に対応するピンインの間にスペースを入力必須。
英語:3つ又は3つ以上のアルファベット入力、「&」や「.(ドット)」は認識可能。
数字:アラビア数字(ローマ数字などは入力不可)。
アクロニム:2つ以下のアルファベット入力、3つ以上の場合は「英語」で検索。
図形:図形コードを入力、各コードの間に半角の「;」で区分けする。
又、図形コードの選択は、空欄右の拡大鏡のような印を押すと選択できる。
検索モード:
自動検索:システムのルールに基づいたによる検索
選択検索:「検索方法」と「検索タイプ」を指定
*同じ条件で両モードの検索結果を比較すると、ヒット件数は選択検索の方が多いが、類似性の高さから見ると、自動検索の方がより高い。
*英語ページの場合であっても、図形コードの選択は中国語となる。
日本語商標の検索:
日本語漢字:対応する中国語簡体字に変更して検索
ひらがな:「図形」で検索、図形コードは「28.3」
カタカナ:
1)「図形」で検索、図形コードは「28.3」
2)簡体字漢字と同一又は類似し、且つ商標態様全体が漢字と認識されやすい場合、「漢字」での検索も必要。例えば、エ(工作)、カ(力士)、オ(才能)、タ(夕阳)、ト(萝卜)、二(数字の二)、ハ(数字の八)、ロ(口)など。
3)カタカナの組合せで、漢字と認識されやすい場合、その組合せたカタカナを「漢字」で検索してみる。
例えば、第43649232号「カロリミット」は第10421177号「加加」と類似すると判断され、拒絶査定されたケースがある。
造語:
1)基本的に漢字で検索してみる。例えば、「漢字」で「峠」と「躾」を検索した結果、第3881119号「峠」、第31374688号「躾」が検出された。
2)その漢字の偏旁と作りを分けて検索してみる。例えば、「漢字」で「峠」を検索した結果、第39150425号「山上下」が検出された。
その他の注意事項について:
*中国商標網データベースの掲載データは通常、アクセス日より2-3日遅い。データの有効日は検索ページの一番上に表示されている。
*検索結果の正確性から言えば、中国商標網データベースより有料データベースの方が検索条件が細かいのでより使いやすい。