2021-06-14

オランダ:オンラインマーケットでの侵害行為に実刑判決 - Knijff Trademark Attorneys

オランダの刑事裁判は、強盗などの凶悪犯罪だけでなく商標権侵害や著作権侵害なども取り扱う。今回の事件で、オンラインショッピングサイトに自動車のロゴを違法に使用したことで、9ヶ月の懲役刑が科せられた。

商標権侵害に関する訴訟は、多くの場合、市民や企業同士の対立が原因となり、最終的にその市民や企業が民事裁判を起こすことになる。刑事事件の場合、検察官が裁判所に提訴するかどうか、いつ提訴するかを決定することになるが、民事裁判と異なるのは、刑事裁判は商標権や著作権の侵害に対しても実刑判決を下すことができる点で、通常、実刑判決になるのは、税関(輸出入)や大規模な違法取引に関する事件が対象だ。

有名な車のロゴ
商標権侵害の刑事事件の典型的な例が、最近、オランダのオーファーアイセル州の地方裁判所で裁かれた。同裁判所は、ヘンゲロー市に住む31歳の男性に対し、オランダ最大のオンラインマーケット市場である「Marktplaats」でナビゲーションソフトウェアを違法に取引したとして、9ヶ月の懲役刑を言い渡した。有名な自動車ブランドの名前やロゴが「無断」で使用され、ロゴ・シールが容疑者の母親の家で発見された。 

とても厄介な問題
商標権や著作権侵害は何のためらいもなく行われた。これによって、商標法や知財法を遵守している善意の企業に不当な競争を強いるだけでなく、欠陥のあるナビゲーションソフトで人命に関わる事態が引き起こされる可能性もある「とても厄介な問題」だと裁判所は結論づけ、9ヶ月の実刑判決以外はないとの判断を下した。

本件は、商標権者の通報によって検察官が侵害行為を認識し、その後、金融犯罪を担当するオランダ政府の機関であるFIOD(Fiscal Information and Investigation Service)が捜査を行ったもので、商標権者と検察官は共同で、この商標権侵害は刑法で対処するのが最善であると判断した。 

本文は こちら (Jail sentence for infringement on online marketplace)