米国特許商標庁(USPTO)では、2020年秋以降、米国内外からの商標出願が空前の勢いで増加している。2020年12月は前年同月比で172%増加し、2021年6月17日時点で昨年比約63%増加した。この急増により審査待ちの出願が倍増し、様々な手続きで待ち時間が増えている。
この急増の理由については現在調査中だが、海外と国内の両方からの出願が増加しており、パンデミックの中、電子商取引が増加したことが原因の一つであることが分かっている。USPTOは、出願をより迅速に処理するために、システムの強化を図ると共に審査担当の弁護士やスタッフを増員した。
この結果、以下の処理に通常よりも長い時間がかかっている。
Trademark Status & Document Retrieval (TSDR)システムでの新規出願
新規出願は通常1週間程度でTSDR上に表示される。ただし、国際分類を指定せずに出願された場合、TSDRのステータスに出願情報を表示するまでに60日から80日かかっている。
商標電子検索システム(TESS)で検索可能な商標について
通常、出願は1週間程度でTESSに表示される。ただし、国際分類の指定のない出願の場合TESSに表示されるまでに60日から80日かかっている。
新規出願の審査官への割り当て
これまで新規出願は、出願後2~3ヶ月の間に審査を担当する弁護士に割り当てられていた。しかしながら、出願数が大幅に増加したため、未審査の出願バックログが大幅に増加し、審査開始まで4~5ヶ月かかっている。
オフィスアクション
オフィスアクションの応答に対する処理期間は通常14日程度だが、現在90日以上かかる場合がある。
登録後
登録後の変更申請の処理期間は通常30日程度だが、現在60日程度かかっている。
現在の待ち時間については ここ(USPTOのウェブサイト)を参照