2021-07-13

マドリッド制度を利用した国際商標出願、2020年は微減 - WIPO

2010-2020年の国際出願動向

マドリッド制度を利用した国際商標出願が2020年に0.6%減少して63,800件となった。国際商標出願が減少したのは、2008年から2009年に起きた世界的な金融危機以来10年以上ぶりである。

2020年の本国官庁トップ10

 2020年の米国(10,005件)とドイツ(7,334件)からの出願は、前年に引き続き1位と2位を維持した。次いで多かったのは、中国(7,075件)、フランス(3,716件)、英国(3,679件)の順で、上位10カ国のうち2桁の成長を示したは中国(16.4%増)だけだが、英国(+5.1%)とイタリア(+3.6%)も顕著な伸びを示した。一方、フランス(16.3%減)、スイス(5.4%減)、トルコ(15.4%減)からの出願が大きく減少した。
 出願上位10カ国の出願件数は、2020年の総出願件数の約71%を占めており、この割合は10年以上にわたってほぼ変わっていない。英国が増加し、スイスが減少したことで、英国はスイスを抜いて第5位となった。上位20カ国までだと、韓国からの出願が高い伸び率を示し(13.4%増)、韓国は、オランダとロシアを抜いて11位になった。
新型コロナウイルスによるパンデミックにもかかわらず、上位20カ国中8か国では出願数が増加した。

2020年の指定国官庁トップ10

 国際商標出願の指定国は、4年連続でEU(27,072)が最も多く、これに米国(24,893)が中国(22,320)を抜いて2位となり中国は3位であった。
 上位指定国の中で、英国が26.0%と最も高い伸びを示したが、これはブレグジットが影響したものと思われる。英国は2019年の8位から2020年にはオーストラリア、日本、ロシア、スイスを抑えて4位に順位を上げた。
2019年にマドリッド制度に加盟したカナダは2020年に5位となり、同じく最近加盟したブラジルは14位となった。

詳細は こちら (Madrid Yearly Review 2021 – Executive Summary)