2021-08-10

韓国:世界地図パターンで有名なイタリア名品ブランドの冒認登録無効判決 - Kim & Chang

最近、韓国大法院はいわゆる「世界地図カバン」として知らているイタリアの有名ブランド「プリマクラッセ(1A CLASSE)と類似する商標を登録後、真正品と類似するパターンデザインのカバンに付着し販売してきた韓国企業に対して名声に便乗するための不正な目的で出願登録をしたという点を全て認めた。

図1

世界地図が描かれたパターンのカバンで有名なアルヴィエロマルティーニ社は30年余りの歴史を持つイタリアのファッションブランドで、2000年代初めから韓国で人気を博してきた。アルヴィエロマルティーニ社の代表ブランドである(図1:1ª CLASSE)は、イタリア語で「ファーストクラス」を意味し、イタリア式の呼称である「プリマクラッセ」で韓国および本国で呼称されてきた。ところが、2013年頃から「1ª CLASSE」の呼称を英文式で書いた模倣商標「PRIMA CLASSE」標章が韓国特許庁に出願、登録され、該当模倣商標の権利者などは「PRIMA CLASSE」商標をアルヴィエロマルティーニ社のブランドアイデンティティをそのまま模倣したパターンのカバンに付して低価格で販売してきた。

図2

これに対しアルヴィエロマルティーニ社は、「PRIMA CLASSE」模倣商標に対して無効審判を請求したが、特許審判院は「1ª CLASSE」の呼称として「プリマクラッセ」は思いつかないという理由で両標章を非類似と判断し、審判請求を棄却した。しかし特許法院では商標(図2)が韓国で周知商標と言えるほど知られているという点、(図1:1ª CLASSE)の部分が韓国需要者および取引者などの間で「プリマクラッセ」と呼称されている点および「PRIMA CLASSE」模倣商標権者がアルヴィエロマルティーニ社ブランドの名声に便乗するための不正な目的でこれを出願したという点を全て認め、大法院でも特許法院の判断を支持し、模倣商標権者の上告を棄却した。

アルファベット文字で表記された外国語商標の呼称は取引での実際の使用態様が認められない限り本国で使う呼称ではなく英米式の呼称を基準として判断される場合が多い。当所は本件の代理人として、「1ª CLASSE」商標の周知性および「1ª CLASSE」商標の呼称に対し韓国の需要者の間で形成された認識に対する膨大な資料を収集して提出し、外国語商標呼称決定の法理に関する緻密な論理で法院を説得して勝訴判決を引き出した。
今回の判決で本国の呼称をそのまま使う外国語商標の呼称がより柔軟な基準として判断されたため、今後、外国語呼称を使用するブランドの権利がより積極的に保護されることができると期待される。