スケートボードシューズで有名なブランド「VANS(ヴァンズ)」を知っているだろうか。このブランドは昔からあるので、VANSのシューズを履いている人もいるかもしれない。
最近、名前だけでなく、商品の特徴を差別化の手段とする企業が増えている。VANSの場合、厚底や白黒のチェック柄などがそれにあたるだろう。
企業が差別化の要素を守りたいと考えたとしても、それほど簡単なことではない。名前やロゴといった伝統的な差別化要素は一般的に保護しやすい(商標として、または意匠として)が、それ以外の特徴についてはかなり難しい。例えば、シューズの黒と白のチェック柄というコンセプトを独占するなんてことは困難だろう。可能性があるのは、保護の対象となる特徴的な要素の位置を正確に示す、いわゆる位置商標だろう。これらの要素は、もちろん、他の製品とは異なる特徴的なものでなければならない。Levi’sジーンズに付いている赤いタグなどが例として挙げられる。
VANSは最近、位置商標を欧州連合に出願した。つまり、黒と白のチェック柄が入ったシューズというコンセプトの保護を求めるのではなく、このチェック柄が特定の場所(ソール)に入っていることの保護を求めたのだ。EUIPO(欧州連合知的財産庁)がこの商標の登録を認めるかどうかはまだわからない。以前にVANSが出願した例では、成功よりも失敗が多かったと言える。とはいえ、VANSが自分たちの特徴を守るために様々な努力を重ねているのは素晴らしいことだ。