2021-09-16

EU:Booking.comがbookingeurope.comに異議申立て - Knijff Trademark Attorneys

かつてはバックパックと旅行ガイドブックだけ持って旅に出ることがあり、それは大きな冒険でもあったものだが、今ではホテルなどを事前に予約する人が多くなり、世界的な旅行ガイドブック「Lonely Planet」(ロンリープラネット)の時代は終わったのかもしれない。
ロンリープラネットのホテルリストは、世界中のホテルなどを予約できる有名なオンライン旅行予約サイト、Booking.comに取って代わられた。

Booking.comという名前は、「booking」という文字と「.com」というURLで構成されている。これらの文字は、商標法の観点からは識別力があるとはいえない。基本的な英語の知識を持つ消費者ならば、「このウェブサイトでは何かを予約することができる」ということが分かるからだ。

このような商標の権利主張は難しい? というのも、一般的に記述的な文字は商標法では権利主張できないからだが、一方で、記述的な商標は、使用することで識別力を獲得することができる。世界的に知られているBooking.comの場合には確かに当てはまりそうだ。とはいえ、このような記述的商標は、しばしば法的な問題を抱えることになり、多くの場合、その商標の有効性を証明する必要がある。このような訴訟は頻繁に提起されており、新しい旅行予約サイトに「booking」のような文字が含まれる可能性は造語よりも格段に高い。

最近、Booking.comは、bookingeurope.comのEU商標登録に対して異議申立を行った。その根拠は、混同の虞であった。また、この根拠に加えて、Booking.comは、bookingeurope.comという商標がBooking.comの評判から利益を得ると共に、Booking.comの評判に悪影響を与えると主張した。後者の根拠としては、商標が名声を得ていることが必要であり、Booking.comはそれを証明しなければならない。Booking.comは様々な証拠を提出した。EUIPO(欧州連合知的財産庁)によれば、説得力のある証拠として、Booking.comはホテルサービスの提供において著名商標とみなされて、さらに、両商標間には明確な関連性がみられるため、フリーライドのリスクも存在するというものだ。つまり、Booking.comは記述的な商標であったとしても、この商標が今や著名な商標であることが認められ、bookingeurope.comに対する異議申立ては成功した。 

本文は こちら (Booking.com – well-known and strong brand?)