2021-09-22

EU:PGI(地理的表示保護)の保護範囲をより明確にする判決 - Knijff Trademark Attorneys

フランスのシャンパーニュ地方で造られるシャンパン(Champagne)は、PGI(Protected Geographical Indication:地理的表示保護)として著名な例だが、ヨーロッパの法律では、商標法や会社名法(company name law)に加えて、特定の地域に由来する商品の名称も保護している。 

フェタチーズ(ギリシャの代表的なチーズ)、パルマハム、コニャック(フランスの街から名付けられたブランデー)、ゴーダチーズ(オランダの代表的なチーズ)、オッペルドゥース・ロンド(オランダのじゃがいも)など、すべてヨーロッパで保護されている地理的表示だ。オッペルドゥース・ロンドは、北オランダのオッペルドゥース産のジャガイモだけに使用でき、パルマ産のハムだけがパルマハムと呼ばれる。 

PGIの中で特に有名なのはシャンパンだろう。シャンパンと言えばという想像力をかきたてるだけでなく、シャンパンに関する訴訟が事実たくさん起きている。常に、CIVC(Comité Interprofessionel du Vin de Champagne:シャンパーニュ地方ワイン生産同業委員会)が目を光らせているからだ。シャンパン・シャーベットやシャンパン・アイスクリーム、シャンパン・シャンプーなど、このような名称を使っているとすぐに使用を止めさせられる。 

Champanillo
9月初旬、欧州司法裁判所は、Champanillo(スペイン語で「小さなシャンパン」の意)という名前のスペインのタパスバーのチェーン店に対する訴訟で判決を下した。判決では、シャンパンは同一または類似する商品のみならずケータリングサービスなどシャンパンを平均的な消費者に想起させるような名称や商標を使用しているサービスからも保護されるとした。つまり、侵害品がワインと同一または類似した商品・サービスである必要はなく、また、侵害品の名称がシャンパンと同一である必要もない。これにより、PGIの保護範囲の広さをより明確にする判決となった。

地理的表示保護の重要性は高まっている。これは、消費者が商品の原産地を知ることがますます重要になってきているためで、ブランドオーナーにとっても、商品の原産地には大きな価値がある。

本文は こちら (Champagne is the PGI)