不思議な話だが、米国でガールスカウトがボーイスカウトを商標権侵害で訴えた。何があったのだろう?
オランダでは、もはやボーイスカウトとガールスカウトの区別はない。また、男子と女子が別々にスカウト活動をしていた時代でも、同じ「Scouting Nederland」という組織に属していた。
それが米国では、ガールスカウトとボーイスカウトは別々の組織で、ボーイスカウトが女子の入隊を認めたのは2017年とごく最近のことだ。2019年には「ボーイスカウト・オブ・アメリカ」の名称が「スカウトBSA」に変更された。
これに対して、ガールズスカウト・オブ・アメリカは、スカウトBSAが女子を勧誘するという特定の目的のために「scout」と「scouting」を使用したとして、旧ボーイスカウトが自分たちの商標権を侵害したと主張した。さらに、ボーイスカウトを「スカウトBSA」にブランド変更したことで、不要な混乱を招き、人々に2つの協会が合併し、ガールスカウト・オブ・アメリカがもはや存在しないという印象を与えるだろうと危惧を示した。
この訴訟は、2018年から継続しているが、結論は出つつあるようだ。9月初旬に行われた審理で、ニューヨークの連邦判事はガールスカウトの請求を棄却することを検討していることを示唆した。アルビン・ヘラースタイン判事は、ボーイスカウトはブランドであり、ガールスカウトもブランドだが、「scouting」自体は活動であるとして、ガールスカウトが言葉を独占することで、自由な競争を制限しようとしたと言明している。
最終的な判決はまだ先だが、ガールズスカウト・オブ・アメリカは敗訴の可能性を覚悟しなければならないと言わざるを得ない。