WIPOの最新調査によると、2020年には世界の商標登録件数が急増し、特許と意匠の出願件数は、パンデミックによる出願件数への初期の影響から急速に回復した。ここでは、「2021年世界知的財産指標報告書(WIPIR)」の主な調査結果をまとめた。
新型コロナウイルスのパンデミックによる広範な経済的影響にもかかわらず、WIPOの2021年世界知的所有権指標報告書では、150の国や地域の当局から提供されたデータによると、2020年に商標が13.7%、特許が1.6%、意匠が2%、登録件数が増加したことが明らかになった。
2008年の金融危機の際には、特許と商標の出願件数が急激に減少したことを考えると、知的財産権の出願件数の増加は、世界経済にとって心強いものだろう。これは、パンデミックが知的財産権出願戦略に与える影響に関するNovagraafの調査結果とも一致している。Novagraafの調査では、88%の知的財産権専門家がパンデミックによる組織への影響を感じている一方で、大多数が力強い回復を期待していることが明らかになった。
WIPOの最新レポートによると、このような楽観的な見方は、世界中の多くの知的財産専門家やビジネスリーダー、特にアジアに拠点を置く人々に共有されているようだ。
商標
2020年に世界で出願された商標は約1,340万件で11年連続で増加した。出願で指定された区分数は120万で前年比13.7%の増加となった。
中国の知財庁における出願件数が最も多く、次いでUSPTO(米国特許商標庁)、イラン・イスラム共和国、EUIPO(欧州連合知的財産庁)、インド(15.4%増)となり、インドは日本を抜いて商標出願件数第5位となった。
広告、事業管理、医薬品、手術・医療・歯科用品に関連する商品・サービスを指定した出願が最も多かった。
2020年に世界で使用されている有効な登録商標は、推定で2019年比11.2%増の6,440万件となった。
本文及び特許・意匠の詳細は こちら (What has been the impact of COVID-19 on global IP filings?)