2021年11月3日から5日にかけて、中国国家知識産権局（CNIPA）が主催するTM5年次総会がオンラインで開催され、現行プロジェクトの進捗状況や新規プロジェクトの提案について議論が行われた。
EUIPOのクリスチャン・アーカンボー長官は、CNIPAの申長雨局長の会議開催に向けた尽力に感謝すると共に、継続的な協力とコミュニケーションの重要性を強調し、すべてのパートナー官庁のデータがTMview検索ツールに統合されたことで、本年終了するTM5のTMviewプロジェクトへのTM5パートナー官庁の支援に感謝の意を表した。
なお、会議には世界知的所有権機関（WIPO）がオブザーバーとして出席した。
会議の詳細
会議の初日と2日目には、EUIPOがTM5の中で主導・共同している協力プロジェクト、「User Involvement」プロジェクト（EUIPO/JPO）、「Fraudulent Solicitations」（EUIPO/USPTO）、「Priority Rights」（EUIPO/CNIPA）、「Joint Communication Action」（EUIPO/KIPO）、「Risk Management」（EUIPO）などの進捗状況が報告された。
TM5は、CNIPAとEUIPOが共同で主導する「異議申立て及び審判手続における商標保護」に関する新しいプロジェクトを承認した。このプロジェクトの目的は、TM5官庁の異議申立手続きと審判手続きを把握することにある。
11月5日には、オンラインでTM5ユーザーセッションが開催され、各パートナー官庁から最新情報が提供され、その後、質疑応答が行われた。パートナー官庁とユーザーは、特に、パンデミックによる出願動向の変化、官庁の対策、ユーザーの期待、オンラインツールの利用拡大、オンライン出願プロセスの改善、柔軟な期限延長、パンデミックに関連する商標登録の優先審査などについて議論が行われた。
また、ユーザーセッションには、EUを代表するユーザー協会として、EUIPOの輪番制で、CITMA（Chartered Institute of Trade Mark Attorneys）とANIPA（Association of National Institutes of Intellectual Property Attorneys）が参加した。
次回のTM5年次総会は、2022年10月にベルギーのブリュッセルで開催される予定。
※ TM5は中国国家知識産権局（CNIPA）、欧州連合知的財産庁（EUIPO）、日本特許庁（JPO）、韓国特許庁（KIPO）、米国特許商標庁（USPTO）の世界5大商標庁による多国間協力フォーラムの名称。