2022-01-25

EU:メガネケース(形状商標)の識別力と類否 - Knijff Trademark Attorneys

デザインを侵害?
パッケージは、図形商標として登録するだけでなく、パッケージ自体も立体商標として登録することができる。ブランド商品はパッケージの形状で認識されることが多いので、これは完全に合理的なことだ。有名な立体商標の例には、トブラローネ(独特な三角柱の形状で有名なチョコレート)やコカ・コーラのボトルがある。

メガネのパッケージケースの場合は?
最近、「人気の老眼鏡とサングラス」のケースに関してアムステルダム裁判所で係争があった。メガネメーカーのイジピジ(Izipizi)とLooplabbで争われたのは、イジピジのメガネケースを商標登録した形状商標(立体商標)に関するものであった。問題となったのは、イジピジのブランド名と、印象的なメガネの正面写真が入った白い長方形のケースである。 

イジピジは、競合社であるLooplabbの青色に白いメガネフレームのメガネケースは、イジピジの形状商標を侵害すると考えた。一方、Looplabbは、イジピジの形状商標は、一般的なパッケージであるため、無効とされるべきであると考えた。

無効ではない
アムステルダム裁判所の判決は、EUIPO(欧州連合知的財産庁)が以前に下した決定を支持するものであった。EUIPOは、「IZIPIZI」という目立つ文字がそれ自体で既に十分に識別力があり、形状商標は全体として有効であると述べている。したがって、この商標の登録は維持された。EUIPOは、実際の形状についてこれ以上のことは何も述べていない。

奇妙に聞こえるかもしれないが、たとえ標識全体が商標として登録されるのに十分な識別力があったとしても、個々の要素に与えられる保護の範囲については示唆されるものではない。これが、アムステルダム裁判所に持ち込まれた事件の核心である。

部分的には説明的
裁判所は、イジピジの形状商標は大部分がありふれていて、その結果、その識別力は極めて限定的であると判断した。「眼鏡ケースに描かれた文字と図形は商品を説明している。つまりこれらの要素の識別力は限定的であり、したがって保護の範囲も限定的である。」 

イジピジとLooplabbは非常に類似したメガネケースを使用しているが、ターゲットオーディエンス(遠視-洞察力がある-かどうかに関わらず、消費者)は、白いLooplabbのメガネケースと白いイジピジのメガネケースの形状を関連付けるだろうが、色付きのLooplabbのメガネケースと白いイジピジの形状標識は、同じような「グラフィック特性」を有していても、2つのメガネケースは全く異なる全体的印象を与えていると認識するため、Looplabbのメガネケースが白ければ侵害となるが、色付きのメガネケースは侵害とならない。
 
商標が登録されているという事実だけでは、商標が極めて類似しているいるとしても、話はそこで終わらない。商標に与えられる実際の保護範囲を明確にするためには、総合的な分析が必要だ。

本文は こちら (A glasses case is a shape mark)