2022-03-02

英国:さてどうなる? Brexit前に提訴、Brexit後に判決 - Knijff Trademark Attorneys

EU商標の大きなメリットの1つは、1回の裁判でEU27カ国すべての侵害禁止を獲得できることだが、以前に第28番目の加盟国であった英国でさえ含まれることもある。最近のハーグの裁判所が下した判決によれば、これはBrexitにもかかわらず、ではなく、Brexitだからこそ、なのだ。

この事件で、商標権者はEU全域に対する侵害禁止を主張していた。さて、ここがポイントなのだが、訴訟開始時点で英国はまだEUの一部だったが、判決が出た時点ではもう加盟国ではなくなっていたのだ。その結果どうなったのだろうか?

クローン化
いわゆる英国のEU離脱協定により、すべてのEU商標は英国を除く27カ国をカバーするEU商標と、英国のクローン国内商標とに自動的に分割された。この手続きは係争中に行われたので、EU商標の英国部分は英国国内商標に変換されたことになる。従って、EU商標の所有者にとって、英国における商標保護が突然失われることはなかったのだ。

しかし、今回の事件でハーグの裁判所は、Brexit後の英国に対して侵害禁止を宣告できるかどうかという問題に直面することになった。これまで原告が明示的に主張していなかったにもかかわらず、商標権者が行使したEU商標法によって、クローン化によって生じた英国国内商標を根拠に、突然、2つの商標権が保護されることになった…。

英国にも適用される
裁判所は、英国でも侵害禁止を請求できると結論づけた。前述の離脱協定から、移行期間終了前に行われた訴訟手続きにおける管轄権は引き続き適用される。「これは、同規則の適用に関する限り、英国がEUの一部とみなされることを意味している」。このような状況では、Brexit後もEU商標の法的保護が保証される。

Brexit後も続く
これは、商標権者にとって朗報であると同時にBrexit後の最初の判例でもある。おそらく、不明瞭な点や争点がすべてクリアになるまで、あるいは英国がEUに復帰するまで、さらに多くの裁判が続くことだろう。

本文は こちら (Trademark law & Brexit: the UK still belongs – at least for now)