2022-05-16

EU:取り消されたミック・ジャガーの名前に関する商標 - Knijff Trademark Attorneys

有名人が自分の名前を商標として保護することはよくある。これは、有名人の名前は当然ながら大きな資産であり、それを利用しようとする人や悪用しようとする人が存在するため、純粋に必要性があるからだが、商標として登録した名前の問題点は、その名前を商品やサービスに商業的に使用しなければならないことだ。ミック・ジャガーのような人物でさえ、これは想像以上に難しいことが最近の事例で明らかになった。

事の発端は、ローリング・ストーンズの商標管理会社が、「JAGGER FAST FOOD」という商標に対して異議を申立て、これに対し、相手方はミック・ジャガーの商標が使用されていないとして2つの商標の不使用取消を請求した。

ミック・ジャガーは、自分は世界的に有名であり、これは関連する商業的事実であると主張したが、有名人であっても使用証拠の提出は求められる。その後ミック・ジャガーは、アルバムのジャケット、靴、シャツ、化粧品などを含む様々な商品の写真、ウェブサイトとウェブサイトへのリンクという形で証拠を提出した。

EUIPOは、リンクだけでは証拠にならないとミック・ジャガーの主張を検討すらせず即座に斥けた。また、その他の証拠も説得力のあるものとは見なされなかった。その多くには日付がなく(この種の事件では罪深い)、ローリング・ストーンズの「唇と舌」のロゴや「ローリング・ストーンズ」という名称は使用されているものの、「Mick Jagger(ミック・ジャガー)」という名称が、市場シェアを獲得または維持する目的で商品やサービスに実際に使用されていたとは考えられないという結論に至った。その結果、十分な証拠が提出されなかったということで、ミック・ジャガーに関するヨーロッパブランドは2つとも取り消された。

有名人がこのような事態から身を守るにはどうしたらよいのだろうか。自分の名前を商標登録するだけでは不十分で、その名前が商品やサービスに使われなければならないことは明らかだ。本当に価値のある名前であれば、ライセンシーが殺到するだろうし、ライセンシーが商品に名前をつけて販売すれば、商標が使用されることになる。ライセンス契約の管理は大変な作業だが、このような契約は大きな利益をもたらす可能性があることを認識すべきであろう。

本文は こちら (Mick Jagger’s trademarks)