(注:「音商標の保護に関する規定が2023年1月14日より」との本文記事は、「2022年1月14日より」の誤りでした。ここに訂正しお詫びいたします)
2022年6月16日、ベトナム知的財産法の改正案が、国会議員の96%の同意を得て承認された。この改正は、知的財産権の所有と権利行使の両面で変更が加えられたため、知的財産権保有者だけでなく、法執行当局からも大きな注目を集めていた。
特に、改正知的財産法はベトナムで音商標を認めることになり、EVFTA(EUベトナム自由貿易協定)やCPTPP(米国離脱後のTPP)など、ベトナムが加盟している国際条約や国際協定を遵守しようとする姿勢を示している。商標の保護には課題もあるが、この採択により、技術発展の時代において、知的財産権を権利者が保護するための有用な手段が一つ増えることが期待される。
著作権については、共著者の人数(2名以上)、貢献度、意図など、より詳細な基準が明確化された。これらの基準は、英国や米国などの法制度と同様である。
共著者の定義は、著作物の所有権を決定する上で重要で、この変更は共同著作物の所有権に関する紛争が少なくなるという良いシナリオを約束するものだ。
当然のことだが、国会は知的財産権侵害に対処するための措置の一つとして行政罰を維持することに同意した。これは改正法の草案では「知的財産権を保護する方法として行政罰の削除」とあったものが、学者や法律家の多くから強い反発を受け改めた。実務面から、民事訴訟手続は行政処分よりも時間がかかり、費用も高くなることが多いため、知的財産権の権利保護を妨げることになると主張した。さらに、知的財産権侵害は権利者の法的利益に影響を与えるだけでなく、社会の発展や消費者の安全にも悪影響を与えるおそれがある。今回の決定は、知的財産権者は利用可能なすべての有効な保護手段の保持に安心を与えるものだ。
改正知的財産法は、ベトナムの知的財産の新しい時代を約束するもので、一部を除き2023年1月1日に施行される予定である。
本文は こちら (Amended IP Law Ratified by National Assembly of Vietnam)