韓国では2022年6月10日付で、被害者の告訴なしでもデザイン権の侵害行為に対する処罰ができるように一部改正されたデザイン保護法が新たに施行される。これにより韓国国内ですべての産業財産権侵害罪は告訴期間の制限を受けないことになった(特許/実用新案/デザイン権侵害罪:反意思不罰罪、商標権侵害罪:非親告罪)。
本改正前のデザイン法は、デザイン権の侵害罪を“親告罪”と規定していたため、捜査機関が権利の侵害事実を知っていたとしても、被害者の告訴なしでは捜査ができないという問題があった。
また、親告罪は被害者が犯人を知った日から6か月以内に告訴しなければならず、告訴期間が過ぎてしまうと被害者が刑事救済を受けることができなかった。
これに対し改正デザイン保護法では、親告罪として規定されていたデザイン権の侵害罪を被害者が起訴を望まないという意思を確実に表明する場合にのみ起訴をしない「反意思不罰罪」(被害者告訴不要)に変更することによって、権利者が適時に対応できない場合でも捜査機関が職権により捜査できるようにすることでデザイン権の保護を一層強化した。
今回の改正は、2020年に特許権侵害罪を“親告罪”から“反意思不罰罪”に変更した特許法改正事項をデザイン権にも拡大したものだ。
以上の改正事項は、公布した本日(2022年6月10日)から施行され、本法施行以後に犯した犯罪から適用される。