2022-06-30

EU:観念だけでは十分ではないロゴ商標の類似 - Knijff Trademark Attorneys

ロゴにはさまざまな形があり、ロゴの使用はブランディングの一般的な方法でもある。ブランド力を高めるフォントや色彩を使用し、グラフィック形式を通してブランドのストーリーを伝えることがよくある。

そのため、ロゴを保護することは極めて重要で、ブランド名と同様に戦略的な選択をしなければならない。これらの選択は、ロゴがどのように見えるか、どのように使用されるかに依存する。文字とグラフィック要素の組み合わせなのか、それともナイキのスウッシュのようにロゴ単体で使用されるのか。また、ロゴは単色なのかカラーバリエーションを持たせるのか、などだ?

ロゴを最適に保護するために、デザインを含めて数種類の商標を登録した方が良い場合がある。

ロゴを商標登録したら、当然それを保護したいと思うことだろう。フランスに本社を置くコンピュータゲーム開発会社のUBISOFTも、中国企業の商標出願を見たとき、そう思ったに違いない。両者のロゴは螺旋で構成されているため、観念的には間違いなく類似しているが、外観的にも似ているといえるのだろうか。

EUIPO(欧州連合知的財産庁)は「螺旋の表現が異なる」との判断を示した。UBISOFTの商標(下図左)は、一定の太さの一本の線からなり、4回螺旋を描いているのに対し、中国企業の商標(下図右)は、中央部が太く両端部が狭い線が1回だけ螺旋を描いているのである。したがって、両商標は全体的な印象として十分に類似しているとはいえず、混同を生じさせるおそれはないと判断された。 

この決定は、観念的な類似だけでは一般的に異議申立を成功させる十分な根拠とはならないことを示している。商標が全体的に類似した印象を与えるためには、顕著な外観的類似性が必要なのである。

本文は こちら (Don’t I know that logo from somewhere?)