2022年1月より、米国特許商標庁(USPTO)は商標登録に関連する詐欺や不正行為からユーザーを保護するためID認証プログラムを開始したが、2022年8月6日から電子商標出願の条件として、すべてのUSPTO.govアカウント保有者にID認証を義務付けると発表した。
本人確認の際、アカウント所有者はユーザー種別を選択する必要がある。この本人確認の義務化により、USPTOは、悪質業者が不正な出願に使用したアカウントを閉鎖し、認証されていないアカウントを新たに作成することを防げるとしている。
ID認証の義務化に伴い、商標登録者のためのオプションや機能を充実させるために、当初のプログラムを変更した。現在および2022年8月6日以降、紙の郵送によるプロセスと2つのオンラインプロセスの3通りの本人確認の選択肢があり、オンライン・セルフサービス・プロセスは、人工知能による顔認識アルゴリズムを利用して自撮り写真と政府発行IDと照合する。自撮り写真は24時間後に自動的に削除される。新しいオンラインビデオチャットオプションは、ビデオチャットエージェントとの会話が行われる。自撮り写真は不要でビデオは30日後以内に削除される。
なお、特許出願のためにID認証されたUSPTO.govアカウントを既に保有する出願人は、商標出願にそのアカウントを使用することができる。
2016年以降、商標の不正出願が大幅に増加し、中国やパキスタンなど米国外の悪質な出願人も増えている。これらの出願人は、虚偽の署名、虚偽の住所、登録取得・維持に必要な虚偽の使用主張を行い、虚偽の米国弁護士資格や弁護士資格を無断で使用して虚偽の書類を提出している。実際、過去7ヶ月間だけでも、USPTOは2万件に及ぶ無効な出願に関与した悪質業者(複数)に制裁を科した。
USPTOは、TEAS(商標電子出願システム)およびTEASi(国際電子出願)のユーザー向けに、7月13日午後2時30分(米国東部時間)より、本人確認の概要と具体的な要件に関する特別ウェビナーを予定している。
講演終了後、質疑応答の時間を設ける。また、事前に TMFeedback@uspto.gov で質問を受け付ける。
本文は こちら (Mandatory trademark identity verification: new options and choosing user roles)