ポケモンの人気はとどまるところを知らないようで、トランプからコンピューターゲーム、映画まで、このキャラクターはどこにでも登場している。実際、2016年に「Pokémon Go」が登場し、近年はさらに人気が高まる一方だ。それなら、任天堂のマーチャンダイジング部門が残業しているのも不思議ではなく、ポケモンという名前を商標として保護する理由は十分すぎるほどある。
ポケモンの代表的なキャラクターは「Pikachu(ピカチュウ)」であり、「Charmander(ヒトカゲ)」、「Venusaur(フシギバナ)」、「Mewtwo(ミュウツー)」、「Bulbasaur(フシギダネ)」といった有名なポケモンとともに、EUで商標登録されている。ここで興味深いのは、これらのポケモンのキャラクターが商標として機能するかどうかということだ。これらは、商品の出所表示と認識される識別力のある商標だろうか。例えば、「Charmander」は多様な商品で商標として使用できるのだろうか、それとも、これらの名称は、単にある商品と切り離せないほど結びついたキャラクターとみなすべきだろうか、その場合、「ポケモン」が上位概念の商標ということになるのだろうか。
映画のタイトルであり、ジェームズ・ボンド・シリーズのキャラクターである「Dr. No(ドクター・ノー)」の場合、欧州裁判所は商標の使用とは認めなかった。しかし、最近出願された商標「PKAQIU」に対する異議申立てで、EUIPO(欧州連合知的財産庁)は「PIKACHU」を著名な商標と判断している。キャラクターが実際に商標であるかどうかは問題ではなく、論理的な結論として、EUIPOは「PIKACHU」を商標と認識しているのだ。これは任天堂にとって朗報だ。結局、「PIKACHU」商標は著名であるとして、異議申立ては任天堂に有利に決定した。もし仮に不利な判定が出たとしても、ピカチュウには雷を落とす攻撃があるので、ポケモンを味方につけると強力だ。