2022-10-26

英国:商標権行使の教訓、ネガティブな報道の可能性に注意を! - Novagraaf

「HOUSE OF ZANA」と「ZARA」とは別物であることが判明した。多くの人にとって、これは驚くべきことではないだろう。商標出願に異議が申立てられた時、出願人(または代理人)は、「1文字違いの商標」という議論に慣れてきており、このような主張に対して、英国知的財産庁の審判部ではあまり重要視しない傾向が見られる。

平均的な消費者は「morons in a hurry(商標権侵害の主張に対して、合理的な消費者は混同する虞があるかを判断しなければならないという語句)」ではない。2つの商標がいくつかの(あるいは多くの)文字を共有しているからと言って、必ずしも混同の虞が存在するとは限らない。登録商標の希釈化という法的概念も英国には存在しない。 

最近開催されたSmart IPのウェビナーで、ウォッチングサービスに対する警告がなされた。このような実務で自動的に生成されたレポートは、知的財産の権利者に不当な脅しや黙認と禁反言、さらには(成功する)反撃をもたらす可能性さえある。

このような合理化された実務に関連するかどうかにかかわらず、もう一つの現実的なリスクは、ファッションブランド「ZARA」にとってまさにそうであったように、ネガティブな報道である。「HOUSE OF ZANA事件」の結末は、何日にもわたって英国のテレビやラジオのニュースを賑わせた。英国民は、知的財産権紛争に関するニュースに関心があり、特に明らかに不公平な状況にある場合は、劣勢と思われる方を応援する傾向がある。このような行為は、ネガティブな報道や社会からの嫌がらせを引き寄せ、ブランドを傷つける可能性もある。

知的財産権者は合法的に権利行使するあらゆる権利を有するが、主観的な議論や不透明な議論で、英国知的財産権の審判部で常に勝ち目があるわけではない。ある商標がウォッチングサービスで発見されたからといって、混同の虞が存在するとは限らない。

「HOUSE OF ZANA事件」(および、昨年のHugo Boss対Boss Brewing紛争のような他の多くの例)は、異議申立(およびそれに関連する費用)に商業的価値があるかどうかを評価する際、有害な報道リスクの可能性を含まなければならないことを実証している。特に、商標が実際に異なる場合、その判断がニュースになることで、異議申立人が恥ずかしい思いをし、知財専門家を混乱させることになりかねない。

本文は こちら (Trademark enforcement lessons: ZANA, Zara and PR)