商標の所有者であれば、商標に関する多くのメールを受け取っていることだろう。そして、それらの多くは一方的に送り付けられてくるのではないだろうか。登録商標は権利者を明らかにするために公開されている。つまり、商標権者の連絡先は、犯罪者を含めて誰でも見ることができるのだ。このような状況を利用して、詐欺師が行う手口は主に3つある。
* 偽の請求書:商標権に関する請求書を受け取る。レターヘッドに書かれた名前は正式なものに見え、本物の商標部門の名前と実質的に同じものだ。例として、WIPP-World(WIPOに類似)、EUIPA(EUIPOに類似)などがある。
* 更新手続きのレター:レビン・ナイマン&パートナーズ(Levin Nyman & Partners)などという会社の「商標代理人」から、あなたの権利の存続満了日を迎えるというレターが届く。実際、権利の存続期限が迫っている場合が多く、更新手数料は通常よりはるかに高額に設定されている。しかも、実際に権利が更新されるかどうかは待つしかない。
* 登録される直前の商標:この詐欺は中国で最初に出現したが、現在ではヨーロッパの会社も同様の詐欺を企てている。そのうちの2社は「Trademarks Office」と「EU Brand Protection」という名前で営業しており、ドメイン名や商標が登録されようとしている正当な商標所有者へ電子メールで通知する形態をとっている。幸いにも、この手口に乗らず、確認のためにレターやメールを転送することで詐欺であることを明らかにしているクライアントは多い。
完璧な人間はいないし、どんなに注意深い人でもミスをすることはある。特に、商標局からのレターや、他の商標権者から直接コンタクトを取りたいとの要望を受けることもあり、このような手紙は厄介なものだ。
今後、このような災難を避けるために、次のような対策をとることを勧めたい。
1. 貴社の経理・財務部門が通常処理する請求書など商標関連の郵便物をすべて確認する。
2. レターに記載されている支払額はどれも正しくない。原則として、商標部門から直接請求書が送付されることはない。
3. 不審なレターや電子メールは弊所(Knijff Trademark Attorneys)で確認することもできる。
本文は こちら (Phishing, fake invoices, and trademarks on the brink of registration)