起業家なら誰しもが、新しい商標や新しいロゴを使って新しい商品やサービスを軌道に乗せたいと願うものだが、中にはブランドを立ち上げる際に、すでに有名になっている商標に因んだ面白いダジャレでインパクトを高めようとする企業もある。
例えば、数年前にジョン・レモンという清涼飲料水が発売されたが、オノ・ヨーコ氏からの異議で名称変更せざるを得なくなったことがあったが、この方法を試した企業は少なくない。
最近、このようなロゴが商標として出願された例が2つある。
イタリアでは、NIKE(ナイキ)の「JUST DO IT」を意識した「JUST DO EAT」という商標が出願された。ロシアでは、映画スター・ウォーズのキャラクター「DARTH VADER(ダース・ベイダー)」を意識した「DARTH VAPER」という商品が発売された。これは機知に富んでいるように見えるかもしれないが、許されることなのだろうか?これらの商標が有名ブランドの評判と識別力におんぶに抱っこしようとしていることは明らかだ。NIKEも ウォルト・ディズニーもこれを良しとしないだろう。おそらく商標の著名性を理由に異議申立てを行うだろう(便宜上、 ウォルト・ディズニーが「DARTH VADER」を商標登録していると仮定する)。しかし、その場合、両社とも商標の著名性を立証しなければならず、それには時間が必要で困難を伴うことも多い。
新しい会社には、紛争自体が無料の宣伝となるため、残念ながらこのような行動が助長されがちなのだが、結局のところ、このような商標に未来はなく、起業家は自らの独創性と創造力に頼った方が身のためだろう。